「(米通商拡大法)232条を外してくれてありがとう」(安倍首相)
「シンゾーとの友情だ」(トランプ大統領)
28日、日本経済新聞が伝えた日米首脳会談直後、両首脳が交わした対話だ。日経は「首脳会談を終えた首相が近づくとトランプ氏は『友情』を口にした」と伝えた。
今回の日米首脳会談で日本は米国とTAG(物品貿易協定・Trade Agreement on Goods)を締結して物品に対する関税協議に入ることにした。
米国が両国間FTA(自由貿易協定・Free Trade Agreement)締結を要求してきたが、これを避けながらも一時的ながら自動車の追加関税を猶予させる折衷点を求めたわけだ。
日経によると、TAG談判は26日(現地時間)、トランプ大統領と安倍首相の夕食会で行われた。日本は日米貿易協議(FFR)交渉の代表を務めた茂木敏充経済財政・再生相に全権を委ねたが、
米国はカウンターパートであるライトハイザー米通商代表部(USTR)代表でない事実上、トランプ大統領が決定権を握っていた。
安倍首相周辺には「事務レベルでいくら詰めてもトランプ氏にひっくり返される」という懸念があった。
当初、夕食会はトランプタワーの中にあるレストランで行う予定だったが、トランプ大統領の提案で同じビルにある大統領の自宅に場所を変更したという。トランプ大統領が当選した後、安倍首相が当選の祝福に駆け付けていたところだ。
夕食会は北朝鮮情勢に関した対話が半分で、通商問題もやはり中国に集中した。トランプ大統領が日米間貿易を問題視する発言はほとんどなかった。
安倍首相は「これなら、(原案通りに)いける」と伝えたという。突発事態に備えて話す内容を用意した「発言メモ」もお蔵入りとなった。
安倍首相は夕食会後、朝を迎えたばかりの東京に電話をかけて「トランプ大統領が(合意を)ひっくり返すことはないだろう」と伝えると、官邸内には安堵の声が広がったという。
だが、安倍首相の安堵とは違い、日本国内では「TAGがFTAと何が違うのか」として日本が譲歩したという批判の声も出た。
日本はその間、自国が主導してきたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を重視し、日米FTA締結については否定的立場を取ってきた。
安倍首相も5月、国会で「(今までの日米貿易協議は) FTAの予備協議ではない」と答えるなど、TPPを置いてFTAを締結することは難しいだろうという見方が多かった。
しかし、今度は米国が日本の基幹産業である自動車に対して追加関税カードで圧力をかけ、結局、方針を転換しながらも「FTAはしない」という立場を覆さないため、TAGという妙手を探ったわけだ。
安倍首相もこれを意識したかのように首脳会談後の記者会見で「(TAGは)今まで日本が結んできた包括的FTAとは全く違う」と強調した。
TAGは商品を対象にするだけで、FTAのように投資、サービス分野は含まれていないとの説明だ。日本が相対的に劣悪な金融、物流、医療、保険も対象から外されている。
しかし、今回の日米首脳の共同声明には「日米両国は協定の議論が完了すれば、他の貿易投資事項についても交渉を進めることにする」という内容が含まれている。結局、今後、投資部門まで協議の対象に含まれれば、FTAと違うのかという批判の声が出る理由だ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180928-00000045-cnippou-kr
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