SFや特撮の世界で経済はどのように動いているのか。大規模な戦争が描かれ、ときに政治の駆け引きが繰り広げられる世界ではあるが、経済についての描写は思いのほか少ない。すぐに思い出せる範囲だと、「銀河英雄伝説」(OVA版)において、銀河帝国と自由惑星同盟の間にあるフェザーン自治領の策動もあり、経済に比較的スポットが当たっていたぐらいである。他の作品、
例えば、2019年にアニメ放送40周年を迎える「機動戦士ガンダム」の世界はどのような経済だったのだろうか。それをさまざまな側面から分析するのがこの連載コラムのテーマである。
なぜ、数多あるSF・特撮の中で「機動戦士ガンダム」を取り上げるのか? それは筆者がガンダムのテレビ放送開始と同じ1979年に生まれて以来、ガンダムとともに育ってきたことと無関係ではない。気付いたときには家にガンプラがあり、
ガチャポンやカードダスになけなしの小遣いをつぎ込んでいた。日本アニメ映画史上の最高傑作と呼び声高い「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」が小学生時代に人気を博し、それに合わせたタイアップ戦略で記憶が補強されている部分もある。
ファミリーコンピュータ用のウォー・シミュレーションゲームである「SDガンダムワールド ガチャポン戦士」の対戦も懐かしい。
ガンダムシリーズの中でも、富野由悠季氏や福井晴敏氏の原作に代表される宇宙世紀を舞台にした作品は、魅力的なキャラクターや、次々と実戦投入されるモビルスーツ(MS)、人間同士の戦争という悲劇の中で人類の革新の可能性、
ニュータイプ論を織り込むという重厚な内容が高く評価され、世代を超えて愛されている。腐った民主主義と天才による独裁の対立など、政治や組織を語ることができて大人も楽しめる作品が多い。
ただ、惜しむらくは経済という視点では物足りなさを感じてしまう。当連載では、ガンダムの経済を経済学や歴史などを用いて解釈し、想像の翼を広げることを試みる。ネタとして楽しむ、経済・金融リテラシーを得る、二次創作の参考にするなど、自由な読み方をしていただければ幸甚である。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180920-00000020-zdn_mkt-bus_all
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