「グリペン」戦闘機の「早さ」とは?

戦闘機という兵器は、ただ飛ばすだけでも大変な労力を掛けなくてはならない乗りものです。アニメや映画など、フィクションにおいてよく見られる「帰還後に給油・武装しすぐ再出撃」というようなシーン、実はあまり現実的ではありません。

戦闘機が基地などへ帰還したのちの、システムをシャットダウンしてから再始動、再び滑走路へ出ていくまでのことを「ターンアラウンド(再出撃)」と呼びます。

そしてその必要時間「ターンアラウンドタイム」は、関わる人の数にもよりますが、F-15やF-16といった戦闘機においては、おおむね2時間から3時間といったところが現実的な数字です。

ところが、このターンアラウンドタイムがわずか10分という、飛びぬけて優れたスペックを持つ戦闘機も存在します。スウェーデン国産の戦闘機、サーブ「グリペン」です。

「グリペン」のターンアラウンドは以下の手順によって行われます。たとえば、高速道路を流用した臨時飛行場の場合、「グリペン」は着陸したのち、1名の監督者と、その下におかれる予備役招集(後述)された5名の

「列線整備員(機体の日常的な整備を担当)」、2両の整備車両などが待機する駐機場へ戻り、即座に機体システムをシャットダウンさせ、機器の誤動作を防ぐセーフティーピンを各部に差し込みます。

「早さ」の実現は設計段階から

機体にセーフティーピンを差し込んだのち、整備員No.1はコックピットおよびエンジンの確認や、帰ってきたパイロットから不具合を聞いたり、機体の自己診断装置を操作したりし、その後は機体外周の損傷などを確認します。

整備員No.2とNo.4は、外部兵装の装着を行います。通常、この作業が最も時間を必要とするため、後述の整備員No.3やNo.5が、自己の作業を終えたのちサポートに加わります。

整備員No.3は機関砲弾の再装填を実施し、整備員No.5は、給油と機体各部にある整備用パネルのチェックを行います。

すべての作業が終了後、セーフティーピンを抜きパイロットが搭乗、エンジンをスタートアップして、滑走路へ向かいます。

この間、空対空兵装なら10分、重いミサイルや爆弾など搭載に時間がかかる空対地フル兵装でも20分で済むとされます。

驚くべきは、本来ならば十分な設備の整った航空基地において、高い技能を持った膨大な人数の専門職が行うべき「作業」を、臨時飛行場のような場所で、しかも普段はほかの仕事をしている予備役の整備員によっても、

上述のような異次元の早さで可能にしていることです。「グリペン」の機体は可能な限りシンプルに、かつ必要な機器が最低限となるよう、設計時から配慮されているのです。

このようにターンアラウンドタイムを最小化することによって、「グリペン」は、ほかの戦闘機では難しい1日2回以上の作戦を、継続して行うことを前提としています。

ほかの戦闘機が1日に2度も3度も出撃するのは「全力疾走」に近く、整備員たちに休む暇も与えない大変な負担を強いることになるため、よほど大人数を用意しない限り、

せいぜい数日続けるのが限度です。もし強行すれば、倒れるか、ミスによる事故発生につながりかねません。

「グリペン」は、ジェット戦闘機のなかでもかなり小型の部類で、搭載量や航続距離といった基本的な性能は、決して高いとはいえません。

しかし、危急存亡のときには、1日に2度、3度と出撃することで、100機が200機300機ぶんの働きを可能とし、実際の性能と機数以上の戦力を発揮できます。


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ネットの反応

1.
猿が使いこなせもせんくせにF35など高価なだけの機体を買うから。この戦闘機でいいんちゃうの?
2.
何でも詰め込み型とは別のアプローチですね
結局は消耗品になるからこれでいいのかも
3.
他の戦闘機がどうして2?3時間もかかるのかの解説がないので全くピンとこない。
4.
日本もいつまでもアメリカの言いなりでなく、自国にあった武器を検討する時期ですね。
5.
この思想、国土が狭く縦深の無い国として素晴らしい考え。ただし国民の国防意識が高くないと出来ない。
6.
スェーデンでもジェット戦闘機とは知らなかった。日本の航空機産業は遅れをとってることが分かりました。残念ですがハイコストであることもです。
7.
日本と共同開発出来ないだろうか。アメリカのべらぼうな巨額の機体より より使いやすい機体を選択してほしい。
8.
ガーリーエアフォース意識してんのか?オタク舐めんな!
9.
早さじゃなくて速さでは?
10.
1機撃墜されると損失も2~3機分に

おや、誰か来たようだ。

11.
色んなこと言う人いるけど
経済規模が小さい スウェーデンで
ドラケンからグリペンまで自主開発出来るのって
それなりの気概が無いとできないよ
まあエンジンは純国産ではないですけど
単純に日本とスウェーデン比べられないけど
日本もやればできるよ
国防をしっかり国民が考えれば
12.
地上整備の速さは、元々はサーブ・ドラケンが優れていた。というのは、エリア88で読んだ。
13.
あげ
14.
グリペンに限らずスウェーデンの機体はドラケンの頃からずっとターンアラウンドタイムを意識してます。

むかし、エリア88で語られていました。

15.
サーブと言えばビゲン


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16.
スウェーデン空軍はフィン空軍に助力して当事者として冬戦争を見ているからなぁ
国境からヘルシンキや基地まで一っ飛びの環境で圧倒的な敵を相手に絶望的な防衛戦
森へ隠れて氷の上から隠密作戦をして、同じパイロットが一日に何度も出撃することも珍しくなかったようだから
グリペンへ直接の影響は少なくても、記憶の片隅に冬戦争はあると思う
17.
福祉国家としてのスウェーデンを持ち上げる連中はスウェーデンの軍需産業や徴兵制には一切触れない不思議
18.
リスク分散で複数のルートを用意するのは良いと思う。
19.
日本も将校送って往来があったはず。
20.
代わりの機体を離陸させた方が早いが。2機を1運用とするバッチ式。システムを止めることが出来ない工業分野では常道です。
21.
第二次大戦時に帰還した戦闘機パイロットが
「急げ、急げ!」と囃し立てて整備員がドラム缶と弾薬を引きづりながら機体に補給する…。
グリペンはFA18と同じエンジンでしかも単発、
かつてのF5やMIG21並みのコスパで運用できるなら途上国や紛争地域を抱える国には持ってこいでしょう。「エリア88」の風間真なら間違いなく搭乗機になるでしょう。
22.
カナードがかわいいよね
23.
いちライトな航空機ファンとしては、アメリカの言うハイ・ローミックスの日本版ロー機体としてどうだろうと思う所はある。
装備やらデータ連係等様々な問題があり導入は現実的ではないとも思うが、スウェーデンの機体はドラケン、ビゲン、グリペンと、どれもカッコいいんだよなぁ。
どうですかね、アグレッサー機体として2、3機!
24.
ステルス性はあるのかな?
いくらランニングコストが安くても戦闘に成り直ぐに撃墜されたのでは?
25.
スウェーデンは永世中立国という立ち位置からNATO加盟国とはまったく違う軍事政策を進めていることで知らせている。
サーブもスウェーデンの代表的な軍事関連企業で、昔から軍用機から自動車まで手掛ける日本で言えば三菱重工のような企業だ。

この「グリペン」のターンアラウンドの所要時間が、自衛隊が使用するF-15やF-2の2~3時間とに比べ僅か20分というのはまさに驚異的だな。

確かに戦闘機個体の性能は比べるべくもないが、この記事にあるようにF-15等の出撃の数倍の出撃回数が可能なら、これほど使い勝手のいい機体はないだろう。

またコスパも素晴らしいな。こんな安上がりの戦闘機他には無いと思う。

スウェーデンは、福祉国家としても世界的に有名だか、「隠れ軍事大国」でもあり、決して侮れない国だと思う。
日本もスウェーデンをモデルにした独自軍事路線を基調とした永世中立国を目指したらいいと思うが!?

26.
スウェーデンは、スウェーデンなりの解決策を考えた。日本は日本なりの解決策を考えれば良い。
スウェーデンでは高速道路の仕様まで含めて総合力が発揮されていることから、政治家も構想を語るべき立場と理解した。
27.
日本に欲しい
28.
確かドラケンやビゲンなども同様の思想で開発された名機。
しかし、なぜ、スウェーデンにできて日本はできないかな。
29.
F1のピットインもびっくり。
高速道路での離発着訓練映像は見たが、日本では、あんな直線道路は。
30.
エースコンバットの間接的売り込みですか?


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