高橋由伸・監督の3年間、常にエースであり続けた菅野智之は今季最多勝を決めた登板後、「今日は監督のために投げようと思っていた」と語り、退任する指揮官に餞の完封勝利を贈った。
だが、CSでの最後の戦いを残す中でも、チーム内の話題は来季に向けた人事情報一色に染まっている。エースの熱い言葉さえも“明日からは新しい監督のために投げる”と、悪意混じりの翻訳をする球団関係者もいる。すでに巨人軍では、菅野の伯父である原辰徳・次期監督のカラーに塗り替えるために、周到に準備された「原シフト」が進んでいる。
◆“監督不在中”のコーチ人事
「要請を受け、(監督就任を)前向きに考えるということは申し上げた」
10月10日、巨人軍の球団事務所から現われた原氏は、取り囲んだ報道陣にそう語り、後は何を訊かれても神妙な表情を崩すことなく、「正式に決まった時に」と繰り返して迎えの車に乗り込んだ。だが、原氏に先がけて取材に対応した山口寿一・オーナーはこう明言していた。
「巨人を建て直してもらうことで了解を得た」
笑顔こそなかったが、「大問題を解決したようで、満足気に見えた」(記者)という。
その前日(9日)、本誌は巨人から去ることになった“監督”に直撃していた。
辞任が決まった高橋監督ではない。今季、二軍監督を務めた川相昌弘氏だ(2016、2017年は三軍監督)。川相氏はファームの日本選手権の翌日(7日)に行なわれた球団との面談で「解任」を告げられたと明かす。
「率直に言えば、来季も続けたかった。18歳(でプロ入りして)からずっとユニフォームを着続けてきたので、戸惑っています。プロの世界ですから、球団に“来季は契約を結ばない”と言われれば仕方ない。自分では結果を出したという自負はあったのですが……」
明暗分かれた「指揮官」の立場と表情は、これから吹き荒れる巨人の激烈人事を象徴しているように映る。
高橋監督が球団に辞意を伝えた3日以降、原氏の監督就任が“決定”するまでの間に、巨人の来季人事構想は目まぐるしく動いた。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181015-00000011-pseven-spo
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