全国で相次ぐ自然災害――。9月以降でも、大阪が台風21号の直撃で高潮などの被害に遭い、関西空港は閉鎖に追い込まれたし、北海道では胆振東部地方を震源とする最大震度7の巨大地震が襲った。西日本や九州では今も復興作業が続いている。
列島はどこも被害ばかりだが、最も恐れられているのが富士山の大噴火である。その時、いったい何が起こるのか。日本人であれば知っておくべきだ。
■10センチ積もるだけで都心はパニック
気象庁気象研究所が「大規模噴火時の火山現象の即時把握及び予測技術の高度化に関する研究」を発表した。
簡単にいえば、富士山の大規模噴火(宝永噴火)の降灰量シミュレーション。1707年12月に起きた宝永噴火の噴煙の高さや継続時間の推定値を、実際の風向きなどの気象データ(2015~17年)に当てはめて推計したものである。
その結果が恐ろしい。東京都心部の降灰量は10センチ以上になるという。研究に携わった、同研究所火山研究部の新堀敏基主任研究官は言う。
「3年間のデータを基に1096件の降灰事例を出しました。その結果、東京・大手町(都心部全般)は36事例で降灰量が10センチ以上になることが分かりました。
確率にすると3%ですが、大きな数字と捉えています。実際の宝永噴火の降灰分布を見ても十分にあり得る値です」
たかだか10センチでもバカにできないし、そもそも10センチは最低ラインと考えておいた方がいい。全パターンを重ね合わせた最大降灰量の分布図を見ると、神奈川全域、東京都、静岡、山梨各県の一部では最大30センチ~1メートルだ。
神奈川、静岡、山梨各県の一部地域では1メートルを超える。千葉、茨城、埼玉各県でも、最大10~30センチとなる可能性を指摘している。
宝永噴火では降灰が16日間続いた。同じように富士山が噴火した場合、山梨県と静岡県で75万人の避難者が出ると推定されている。
東京都心に住む場合、一斉避難は物理的に無理だろう。火山灰が舞う中での生活を強いられることになりそうだ。
気象庁が降灰予報で使用する降灰量階級表を見ると、1ミリ以上の降灰で地面は灰色に染まる。視界も濁るという。要するに、みんな身動きができなくなるのだ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180917-00000010-nkgendai-life
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