流れは阪神に傾きかけていた。1-0の七回、巨人・上原が連打を浴びて同点に追いつかれた。なお2死一、三塁。もともと八回を投げる予定だった畠が、前倒しでマウンドに送り込まれた。
打席は3番福留。甲子園の盛り上がりが最高潮に達する中でも「歓声は聞こえなかった」と集中していた。
2ストライクに追い込み、最後は内角低めへの渾身の153キロ。絶妙のコースで見逃し三振を奪い、「キャッチャーの構えたところに『行けー』と思って投げた」と白い歯を見せた。
直後の攻撃で味方が1点を勝ち越し。さらに2死満塁で畠に打順が回ってきたが、代打は送られなかった。追加点を奪いにいくより、畠で1点を守り抜くという高橋監督の決断だった。畠はイニングまたぎの八回も3人でぴしゃりと抑え、見事に期待に応えた。
新人だった昨季は先発として6勝をマーク。しかし、今季は春季キャンプで腰を痛めて離脱し、今月1軍復帰したばかりだった。
マシソン不在の手薄な中継ぎに組み込まれ、「与えられたところで0に抑えるのが仕事。それを目標に頑張りたい」と頼もしい戦力だ。
九回は今月から抑えに回った山口俊が無失点で切り抜け5年ぶりのセーブ。接戦に弱かったチームが“新勝利の方程式”で1点差の試合をものした価値は大きい。
「畠も山口も頑張ってくれた」と高橋監督。3位死守へ正念場の戦いが続くチームに一筋の光が見えた。(浜田慎太郎)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180923-00000547-san-base
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