国内FA権の行使が濃厚となっている西武の捕手・炭谷銀仁朗(31)。熱心に調査を進めるのは、原辰徳監督(60)が復帰した巨人である。
2013、17年のWBCに出場するなど経験は豊富。高卒1年目から一軍に抜擢されるなど、通算1169試合に出場し、チームを引っ張ってきたものの、今季は森の台頭もあり、47試合の出場にとどまった。
「正捕手が欲しい。得点圏打率.345と勝負強さを発揮。通算盗塁阻止率は.340と安定」などと6日付のスポーツ紙は、まるで巨人入りが決まったかのように騒いでいる。原監督は正捕手に起用する意向らしいが、西武で2000安打を達成したOBの山崎裕之氏(評論家)がこう指摘する。
「入団時から打撃が課題でした。今年はそこそこの打率(.248)を残したといっても、ほぼ(菊池)雄星の専属捕手で、出場した試合が少ないため、あまり参考にはなりません。振れる選手が多い西武にあって、スイングが鈍いのは明らかです」
巨人の正捕手筆頭候補でもある小林は、昨年の侍ジャパンで扇の要を務めたものの、炭谷同様、打撃が課題。
規定打席に到達した中で昨季まで2年連続打率最下位。今季は一時打率トップを快走したが、結局.219に終わり、新人の大城にマスクを譲る試合が増えた。規定打席にも到達せず、原監督は「打たな過ぎる。
でもあの肩は一級品。甲斐とも遜色ない。もうちょっと打てばすごい捕手になる。打率2割4分を目指せ」と話している。
が、通算打率は小林が.215なのに対し、炭谷は.212。これだけ「打てない」とハッパをかけている小林より、さらに打てない捕手を原監督は引き入れようとしているのである。
さらに「問題は打撃だけではありません」と前出の山崎氏がこう続ける。
「新聞には『リードに定評がある』とありますが、解説者として長年見てきた中で打撃より物足りないのは、そのリード面です。
おっ、そうくるか、みたいな、打者の裏をかくような意外性はほぼ見られません。捕手として打者をしっかり観察しているのかと疑問に感じることもあります。捕手は最も打者の近くにいる。相手の反応だったり、
長所、短所を見抜き、配球を組み立てないといけないのに単調なんです。もうひとつ物足りないのは、おとなしいというか、淡々としていること。時に捕手は『低く』とか『ワイドに』とか、ジェスチャーで投手に指示を出したり、
鼓舞したりする必要がありますが、炭谷はその点でも控えめです。30代になって肩にも衰えが見え始めている。なぜ西武で出場機会を失っているのか。理由があるのです」
巨人は一塁手だった阿部の捕手復帰が決まり、来季は4年ぶりの捕手での出場を目指している。大城、宇佐見、岸田といった若い捕手も、宮崎で行われている秋季キャンプでしのぎを削っている。そんな状況の中、炭谷は本当に必要な選手なのか。
若手の台頭を邪魔する補強になるのだとすれば、これほどバカらしいカネの使い方もない。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181107-00000017-nkgendai-base
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