日本政府が昭和54(1979)年から総額3兆6千億円超を投じた中国への政府開発援助(ODA)の新規事業採択が今年度で終了する。

対中ODAの資金や技術は中国経済の近代化に大きく貢献したが、中国国民の認知度は最後まで低かった。

日本の支援は「感謝」され、日本の国益となったのか。プロジェクトが実施された現地の“遺産”を訪ねた。(中国・貴州/重慶 西見由章、写真も)

◆「回答できない」

内陸部・貴州省の省都、貴陽から南西に約150キロ。紫雲ミャオ族プイ族自治県の格凸河鎮(かくとつかちん)は、ラクダのこぶのような小高い山々が連なる山間地だ。

1999年、日本政府の資金でこの貧困地帯にコンクリート製貯水槽と導水パイプが設置され、住民約5千人が上水道を利用できるようになった。

対中ODAの無償資金協力で上限1千万円の「草の根」援助。当時の本紙報道によると、日本の視察団訪問を集落の住民が総出で迎え、熱烈な歓迎ぶりだったという。

約20年が経過し、現地はどうなったのか。地元の古老に貯水槽の設置場所を聞いて訪れると、予想外の光景が広がっていた。

険しい登山も覚悟していたが、現場はトラックなどが頻繁に往来する幹線道路が整備されており、拍子抜けした。

「別の貯水池ができてから使わなくなった。もう10年ぐらいになるよ」。道路脇でミカンを売っていたミャオ族の女性(77)は貯水槽についてこう話した。日本の支援については「だれが金を出したかは知らない」。

数年前に道路が整備され移転した村民も多いという。ただ貯水槽について「当時はとても便利になったよ。飲み水はよそでくんで背負って持ってきてたから」と評価した。

付近の道路沿いを探索すると、雑草に埋もれたコンクリート製の貯水槽が見つかった。高さ数メートル。コケに覆われ外側の一部は破損している。

密閉式で基礎部分の構造は雑木に覆われ判然としない。隣には高さ約1メートルの石碑があった。白地に赤字で「日本 利民項目(住民のためのプロジェクト)」と書かれた文字が、かろうじて読めた。

貯水槽は10年ほど使われた後、完全にうち捨てられたのか-。失望感を抱きながら周辺で聞き込みを続けていくと、別の住民が意外な話を教えてくれた。

「日本が整備した飲み水は今でも多くの人が使ってるよ」

外出先から自家用車で戻ってきた40~50代の村民5人の話を総合するとこうだ。現地では確かに新しい貯水池が整備され、

日本が設置した導水パイプ網を撤去したものの、その貯水槽は残され、一部住民はゴム製パイプを整備して現在もその水を使っているという。日本への感情を訪ねると、「もちろんいいよ」と女性が笑顔をみせた。

近くで家族7人と暮らす70代の陳さんの自宅前には、日本の貯水槽から水を引いているという水道があった。陳さんは蛇口をひねってみせながら言った。「自然の水だからおいしい。貯水槽ができたときはうれしかった」

周辺には瓦ぶき屋根の家屋が並ぶ。さほど粗末にはみえないが、各住居には水道が引かれておらず、現在も外でバケツやタライに水をくんで家事に使っているという。隣家の入り口では若い女性が“日本の水”を使って洗髪していた。

どれだけの村民が現在も貯水槽の水を利用しているのか。正確な数字を調べようと鎮・県政府の各部門に電話したが、たらい回しにされ、最終的な問い合わせ先として指定された貴州省水利局の担当者は「回答できない」とだけ言ってガチャリと切った。


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ネットの反応

1.
未だに払っていた事が驚きだ
それにしても、日本の外交は、昔も今も腰抜けだな
言われるがままに金を払って解決するのが、日本の能無し外交
2.
チャイナスクール外交官の杜撰な仕事の結果。
3.
つまりODAは、一番の目的は日本のある役所の利権を増すためにやっていたということなんだろう。この役所のOBの評論家がテレビの情報番組で、昨今ODAが先細るのは残念よろしくお願いしますと、現役の政府閣僚にひとこと言っていた。
4.
金をばらまくだけの外交下手の外務省。
金をもらうときだけ笑顔を見せるが恩はすぐ忘れる。
恩知らずは半島人だけではない。
5.
必要もないのになぜ漫然とODAを続けて来たのか不思議でしょうがない。お陰で中国を手に負えない化け物に成長させ軍事面で世界の脅威にしてしまった。政府も頼りないが外務省の無責任な無能な政策は止めて欲しい。
6.
足長おじさんなんか気取ってるから、こうなるんだよ。
欧米は旧植民地で大した額でもない食料支援をやるときに、広告会社使って当事国の国民宣伝してるんだぞ。
そのくらい、明け透けにやって初めて浸透するんだよ。
日本の金で日本の脅威を育ててどうすんだ。
7.
結局敗戦国の日本は、いいように使われただけじゃね!まぁ負い目もあって対外的に強気に出れんかったのもあるじゃろうが、一通り賠償が済んだ時に頭切り替えとりぁ、
こがな事にはなって無いじゃろ?何でドイツみたいになれんかったんじゃろうか?まぁ、なんやかんやいうて、未だにアジア人バカにされちょるしね?
8.
未だにODA支援していたことに驚き。
とっくに終わっていると思っていた。
まあ、ともかく、支出が減るのはめでたい。後は野となれやまとなれですね。
9.
3兆もあればどれだけの日本人が死なずに済んだことか。感謝もされず逆に脅され被害に遭い。。。なんて愚かな政府だったのか。
10.
対中ODAとか、自民は昔から余計なことばかりヤリおりますね。
11.
議員と商社でキックバックさせてたからか。
12.
恩を仇で返す国それは中国野蛮人の集まり
13.
日本人は三国志やその他の古代中国史に憧れやな思いを寄せるものが多く、それがこうした過ちをもたらした一要因でもあると思う。
感情とは別に論理的に政治を行わないと将来この国は無くなる。
14.
緑化の為に日本が折角植林したのに伐採して別荘地にって地方もあるらしいし…
また砂漠に戻るんじゃ無いかなぁ。
15.
こんなODAのやり方を続けてきた日本が悪い。
ホントいいように利用されただけ。


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16.
侵略戦争の代償としては微々たるもの。
17.
自民党を純粋な右派と思っている人が多くいるが、自民は保守であっても、純粋な右派ではない。あくまでも<中道>の中での右派である。ちなみに旧民主系は中道左派。。。
残念ながら日本の政党で純粋な右派は存在しない。極端な左派政党はあるけど。。。だから敵国である中国や敵視政策をする韓国に対しても基本、中道としてどっちつかずの政策を行うのが自民党w
18.
中国や韓国へのODA・援助が友好発展に結びつかなかった理由は、日本と両国の国会議員同士の馴れ合い癒着が一番の原因だと思う。
19.
随分と無駄なことをした。石原慎太郎の本以降無理やり日中を結び付けた角栄を持ち上げる風潮があるが石原の評価はあてにならない。朴正熙なんかは裏で反位置にアクセル踏みながら日本人の誠実さに付け込んだ男だったがそんな奴を評価していた。
20.
マ、少し高い授業料だと思ってこれから中国や韓国には気を付けることですね!
21.
外務省の無能ぶりが正しく証明されただけかと思いますが。
22.
自分の国の国民には増税して苦しめ、結果、少子化で未来は不透明になってるのに、他の国にはお金をバラ撒いて、結果、国力を増強させてる。
今じゃ、国内経済も物資食料も、中国頼みの哀れな日本。
23.
恩を仇で返すようなら、ODAをやる必要はない。ODAは無い袖を振る、あるいは見栄を張る行為だ。
没落著しい日本に、もう見栄を張る力はない。
恩を仇で返してきた中国へのODAが終了することは誠に喜ばしいことだ。

それでもODAで見栄を張りたいというのなら、東南アジア諸国やアフリカ諸国でやるのが望ましい。
中国に汚染されていない限り、東南アジア諸国やアフリカ諸国が恩を仇で返すことはない。

だが、ODAで見栄を張るくらいなら、その金を日本国内のために使って欲しい。
いま日本には、絶望的なまでの貧困に苦しむ日本人が大勢いる。本来その人たちを救うべき〈生活保護〉は本来の機能を失っている。

昭和29年5月8日に通達された『厚生省社会局長通知』を撤回し、〈生活保護〉の適用範囲を限定した上で、使われなくなったODA予算を〈生活保護〉に回せば、貧困に苦しむ日本人を大勢救うことが出来る。
24.
一言…信じられない阿呆な国。
25.
日本人も知らんかったから。無駄金じゃ。中国もやってくれるんならやっていいよ的な感じだろうね。
26.
ただの無駄遣いに終わったね。
日本人の血税が、、、。
27.
貴重な税金を浪費した自民党に各種日中友好屋たち、この連中は自分の責任などまるで感じていないのだろう、
北鮮を地上の楽園等と吹聴した連中も、いまだに過ちの過も言わずのうのうとテレビや新聞、雑誌に偉そうに出ている、新帝も即位されることだし、新帝の御代でこのような連中を消滅させたいものだ。
28.
ほんまにアホ。
29.
政府は大金も労力もドブに捨て過ぎた。国力回復するには出生率を上げる努力を。
30.
産経さんがこんな記事を書くとは、
途中までしか読んでないけど、認知、感謝されたのか?ではなく、
民主主義への誘いをしたと考えるべき、


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