ウクライナ・キエフ(CNN) ウクライナの首都キエフの郊外。地下鉄ニブキ駅とスビアトシン駅の間に、地味な産業用の建物がある。そこに大きな秘密が眠っているとは思いもよらず、何度も車で通り過ぎてしまいそうな外観だ。

建物の内部では、ソ連航空産業による偉大な構想の未完の章を目の当たりにすることができる。外から見て唯一手がかりとなるのは、建物の巨大なサイズだ。

建物が巨大なのには理由がある。世界最大の未完成機を格納しているためだ。

この航空機は「アントノフAn225」。冷戦末期にソ連の技術者が構想した機材で、共産圏の宇宙進出を後押しするとともに、東側諸国による空の支配を確立する原動力になるはずだった。

ただ、完成にこぎ着けたAn225は1機だけ。「ムリーヤ」(ウクライナ語で「夢」)というロマンあふれる名前を与えられて1988年に初飛行を行い、今日に至るまで稼働している。

2機目の姉妹機についても製造は始まった。だが、ムリーヤが航空関係の世界記録を次々と塗り替える一方、姉妹機の方はいまだ組み立てが完了しておらず、離陸を夢見るばかりの状況だ。

ムリーヤの知られざる姉妹機の運命には、ソ連崩壊後の激動のウクライナ現代史の中で翻弄(ほんろう)された巨大な野心と、それに輪をかけて大きな挫折をめぐる魅力的な物語が詰まっている。

ただし物語はまだ終わっていない。アントノフ社は依然、2機目のAn225の離陸に向けて楽観的な見通しを描いている。そんな同社がこのほど、CNNに未完成機の独占取材を許可した。

力学の大聖堂

取材班はキエフ西郊に広がる産業地帯を車で案内され、An225の未完成機が眠る格納庫に到達した。建物に入るのは力学の大聖堂に足を踏み入れるようなもので、驚くほど静謐(せいひつ)だ。

内部の広大な空間には、機械設備や各種の航空機部品が格納されている。

その全てを圧してそびえているのが未完のAn225の巨大な胴体だ。完成にこぎ着けた場合、全長は84メートルとなり、世界最大の旅客機であるエアバスA380型機を9メートル上回る。

印象的な光景だが、この壮大な航空機がばらばらな状態にあるのを見るのは少し残念でもある。翼幅88.4メートルとなるはずの主翼は取り付けられておらず、住宅ほどの大きさの前脚も近くに置かれたままだ。

An224をめぐる物語が始まるのは1960~70年代。ソ連が米国と宇宙開発競争を繰り広げていた時代だ。

70年代末には、ソ連の宇宙船「ブラン」を組み立て場所からカザフスタンのバイコヌール空軍基地まで輸送する必要性が出てきた。当時はブランを運べる航空機が存在しなかったため、アントノフが開発を命じられた。

こうして生まれたのが巨大機のAn225だ。ムリーヤは構想開始から3年後の1988年12月21日、ブランを無事バイコヌールに運ぶことに成功した。


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ネットの反応

1.
どっちも好きだけど、グッピーの方が飛んでる姿はクレイジーだな。
2.
中国がスポンサーになるって話があったな。民間宇宙ビジネスが流行ると中小型ロケットの空中発射母機としてのニーズは高まるかも
3.
旅客機にしてほしいです。
4.
なんという存在感!
圧倒的構造物。
こんな巨体が空を飛ぶのか?
資本主義社会では、もしかしたら無用かもだが、良くぞ生き長らえてくれたものじゃ。
リポートもお見事!
夢の続きを見ている気分。
5.
1号機の部品取りに利用するのが妥当でしょ
とっくに旧式化してるし
6.
名前はギガントに改名した方がいいですよねぇー
7.
あの巨体が飛行する姿はロマンがある。
騒音もすごいし、燃料も食う。

だけど、いつまでも飛び続けてほしい機体のひとつ。
中国が買うのはシャクだけど、世界にもう一機は欲しい。
ウクライナの航空技術は絶やしてはいけない。

8.
こんな危険なもん飛ばすなよ。絶対に。
9.
ムリーヤ出来たからムリじゃなかったってゆードリフみたいなオチw
10.
チョイチョイ日本にも飛んで来てるから思ってるほどレアじゃなかった。羽田と北九州とかでも見たよ
11.
以前BSでこれのドキュメンタリー見たけど面白かった。日本の震災の時に救援物資を輸送してくれたり、広島電鉄の電車運んだり、案外ご縁があるんだね。日本に来た時一度は見てみたい
12.
747-400の胴体をこの作りかけの胴体にスワップして、ドリームリフターみたいに改造する?
13.
二機目の製造は無理や。
14.
今となってはA380ベルーガを発注するほうが安いでしょ。
15.
必要な機体だと思う。1機だけでは、なにかのときに使えないし。大きな物の運搬には必要な機材だと思う。


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16.
一度は見たいアントノフ
17.
無理や
夢がある言葉やな。
18.
これはちょっと気の毒だな。
ウクライナにあるのか、
せっかくここまで作って、、、
なんとかしてやりたいものだな。
19.
中国が丸ごと買っていくかもな
20.
ムリーやろ
21.
これは戦車6台を運べる飛行機で、設計図は中国に2016年にわたっているだろうに。
で、ムーリヤはすでにオーストラリアに飛行している。
かなり巨大な飛行機で、ボーイングとかもなんとも無くなる」
22.
手前にあるパイプみたいなやつ部品じゃなくて別の飛行機の胴体やな。
23.
未来少年コナンに出てきたギガントを思い出す。。。
24.
日本の空港にも、希に飛来するね>>ムリーヤ
25.
本物を見てみたいです!
いつか日本に、出来れば羽田か成田で見てみたいけど、場所とスケジュールに余裕がある空港じゃないと難しいですかね?
26.
飛ぶとflightradar24がツイートするくらい注目の機体だもんね。
27.
この地球上でニーズがあるとは思えない。

どれだけ燃費が悪いのかな

28.
静謐な聖櫃な建物。
29.
ロシアは、ギャルだけやない科学技術もなかなかなのに。中国が占領する日がくるのかも知れない。
30.
実際はソ連崩壊後はスクラップ同然だったが、2000年に復活した機体、2号機も中国辺りが興味を持っているらしいが?


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