旅先の沖縄で、偶然、黒猫と出会った。肩にのせてみると降りようとしない。夫婦の旅行の目的は、友人の結婚式だったが、そこから、猫を東京に連れ帰ることに変わった。

そんな夫婦を、猫は自らキャリーバッグに入って待っていた。不思議な猫との出会いの物語……。
「この子は『くる』。うちなーぐち(沖縄の言葉)で『黒』という意味です」

東京在住の綾子さんとまさひこさん夫妻の前に、ふっくらとした黒猫が寝そべっている。先住の2匹と一緒に飼っている。「くる」の出身地は沖縄。遠路はるばる東京まで飛行機でやって来たという。

「まさか、沖縄から野良猫を連れて帰ってくるとは思っていなかったんですけど、『くる』は不思議と東京に行く気満々でした…」

ガリガリにやせた黒猫

出会いは3年前の6月。友人の結婚式に出席するため、夫妻は一足早い夏休みを取って、式の5日前から沖縄本島を訪れていた。滞在3日目は綾子さんの誕生日。切り立った断崖が続く観光地、残波岬(読谷村)に遊びに行った。

「岬の広場で休んでいたら、少し離れたアイスの屋台の近くに黒いものが見えて。『岩かな』と夫と話しながら近づいたんです。そうしたら生後半年くらいの黒猫でした」

綾子さんが手をさし出すと、膝にのってきて離れなくなった。ガリガリにやせて、お腹をすかせていた。

「捨てられたのかなあ。でも初対面で膝にのってくるなんてびっくり!」

「周りに家もないし、このままここにいたら生きていけないよね」

まさひこさんが、黒猫を肩にのせてみると、まったく降りようとしない。周囲の観光客も不思議そうに見るなか、黒猫と一緒に灯台から海を眺めた。そうして海を見ているうちに、「一緒に東京で暮らしたい」という思いがわいてきたという。

猫と一緒に炎天下で食事
そのまま黒猫を車に乗せて、泊まっていた港近くの宿に連れ帰った。

「『くる』をひとまず庭に置いて、宿に入ろうとしたら、一緒に自動ドアから入ろうとしたんです。宿の主人が気づいて、

『客商売だから猫はまずい。港に連れていくかぁ』と言ったので、『それは困る、港には捨てにいかないで』とお願いしました(笑)」

「東京に猫を連れ帰りたい」。そう言うと、宿の主人は「本当かい? あんたたち変わってんなぁ」と笑って、滞在中、猫が宿の庭で過ごすことを認めてくれた。そして、黒猫を沖縄では「くるまやー」と呼ぶことを教えてくれたという。

しかし、友人の結婚式は旅の最終日で、残り2日ある。「くる」がそのまま庭でおとなしくしているとも限らない。

動物病院に預けようとしたが、どこも営業をしていなかった。そこで夫妻はスーパーでペットフードを買い、できる限り「くる」と一緒に過ごすことにした。

「宿の中はエアコンが効いていて涼しかったのですが、僕らは朝と晩、わざわざ暑いテラスに出て食事をして、『くる』にもフードをあげました。

そうするうちに、『くる』はどこかに隠れたり観光客の後を追ったりしていても、僕らを見つけると駆け寄ってくるようになって。ずっとすりすりしてくるので、やっぱり置いていけないという思いを強くしました」


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ネットの反応

1.
その夫婦は保健所の職員でしたってオチじゃなくて
よかったな
2.
うちも元保護猫がいます。
この記事読んで、ほっこりしました。
旅行先で出会ったのがすごいと思う。
皆さん書いていますが、行動力すばらしいですね。
いつまでもくるちゃんたちと、お幸せに~!!!
3.
ええ話や。夫婦さん、グッジョブ!!
4.
良かった。
運の良い子だった、内地の人間を選ぶところが。

沖縄は、犬にも猫にも馬にも残酷な土地柄だから。
本当に運が良い子としか思えない。

5.
目の感染症の後遺症で弱視の白猫、子供達も小学生で私も週1~2の出勤以外は在勤で保護猫を引き取りたいと思い、保護施設に夫婦で初ボランティアに行きました。保護時は生後1ヶ月だったけど出会った時は生後1年…障害があると希望も少なく、譲渡条件もやや厳しく。
弱視のため遊びでも顔に攻撃されると目を閉じるスピードが遅いためほぼケージ飼い、ボランティアのケージ掃除(猫達は放された後)で出会いました。
元から好みはなかったけど白い体がきれいで、手にじゃれついてきたり抱くと甘えてくれて…先住なし、多頭は考慮、乳幼児がいないなどはクリア、私の出勤日は留守番が問題でしたが留守中用の大きめのケージ設置で里親になりました。
現在4歳で体は健康、子供達と音が鳴るオモチャで遊んだり…あの抱いた時に一緒にいたいと思った感覚?感情?は何かの縁としか思えません。
6.
あかん、泣いた。
7.
縁は不思議なもの。
その縁で1匹の黒猫と1組の夫婦が幸せになれて良かったですね。
8.
いい人の家の子になって 良かったね。扱いにも精通してるし。記事読んでて 泣きそうになった(笑)
9.
>飛行機の時間」を理由に、デザートを残して宴を中座し、タクシーで宿に急いだ。

その程度の付き合いの友人だったわけね。
結婚する二人が舞い上がって「沖縄で挙式するから来て!」と言われて、あーあと思いながら参加しました的な?
でもそのおかげでクロネコちゃんと出会えたから結果オーライかw

10.
出会うべくして出会ったのですね。
幸せそうで何よりです。
11.
すばらしい!!
幸せになって!!
12.
うちの猫2匹は東京、お台場のホテル前で出会い同じようにキャリーに入れて飛行機で鹿児島へ、旅行で猫を連れて帰るなんて思っても見なかったけど縁ですかね。でも、1匹は生まれ持った病気で半年ほどで亡くなってしまいましたがもう1匹は今でも家族を癒してくれています。
13.
みんな、良かったね!
14.
想像しながら最後まで読みました。
よかったです。
15.
ご縁ですねー。数年前に亡くなったうちの子もご縁を感じる出会いでした。8月の暑い日、ふだんは行くことのないホームセンターに行ったら入り口横の自動販売機の脇、炎天下に段ボール箱が置かれて、
中に子猫が4匹。買い物が終わり出てくると2匹になっていて、1匹は身体が小さくずっと段ボールの隅に顔を埋めて震えてました。買い物客が手に乗せるとものすごい声で鳴き叫ぶのに、私だと大人しい。何度やっても同じで、そのうち私の手の上でリラックスし始めました。
キジ白の柄や短い尻尾は、何故か昔実家で飼った猫も2代続けて。その柄が好みなわけじゃないけどたまたまです。手の上に乗ってる小さな猫も同じ。
ご縁を感じて連れて帰りました。帰りの車の中、膝の上で死んだように熟睡、家について目を覚ましてから18年間、毎日私を追いかけ回し、最期も私が休みで家にいる日に亡くなりました。


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16.
日本では昔から黒猫はあんこ猫と呼ばれ可愛がられていたそうです。
黒猫自ら側に寄って来れば幸運とも言われています。
きっと黒猫ちゃんの方がこの夫婦に運命を感じ一緒に暮らしたいと
思ったのかも知れませんね。
17.
まったく同じケースで、うちで飼っている黒ネコも、道の駅で観光客からおすそ分けをもらって生きてきたのだと思います。あれから1年、今は私の隣り、ソファの上で寝息を立てていますが、あの日の出会いを神様に感謝しています。
18.
可愛いですね、くるちゃん。
運命ですね。
いつまでも飼い主さんと幸せでありますように。
19.
感動しました。猫ちゃんを保護して下さり、ありがとうございます。お二人様に、幸多きあれ。
20.
よかったのう ほっこりしたわぁ
21.
運命だったんですね。ご夫妻の行動力もすごい!
だからこそ、くるはご夫妻を選んだんでしょうね。
みんなが幸せに暮らせてよかった。
22.
素晴らしい御夫婦ですね
行動力ある
見習いたいです
23.
本当に素敵な話!
拝読致しましたが、涙が止まりません。。
もうノンフィクションドラマ化してほしいくらいです。
24.
くる、良かったね?(ミ・?・ミ)?
ステキなご主人さんと出会えて。
25.
確かに、考えてみると家に来た猫は、代々生まれ変わりだったのかも知れないな。
26.
運命の出会いだよね。不思議だけど有っても良いと思う。
27.
油断した
家にも猫いるから、すごく気持ちわかるし、泣いた
28.
猫を飼ってる人の家って、汚いことが多い。
29.
くるちゃん可愛い!
うちの猫も公園に捨てられていたのを連れて帰ったのですが
結果、戸建を買って引っ越す事になるくらい一大事になりました
運命を変えてくれる猫ってあちこちにいるんですね…。
30.
うちの黒猫サクラちゃんも 殺処分が決まってたけど 猫を救う会から 頂いて 元気に暮らしてます。 600gで来たけど 今や3キロ。 7ヶ月の うら若き乙女? です。


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