【ワシントン時事】トランプ米政権が中国への強硬姿勢を強めている。
制裁関税の発動で「貿易戦争」の様相を呈する経済面だけでなく、外交面でもより厳しい姿勢にかじを切り始めた。
「冷戦に近い状態の始まり」(英紙フィナンシャル・タイムズ)との見方も出ており、対立が深刻化する恐れもある。
「中国は米国の民主主義に干渉している」。ペンス米副大統領は4日、ワシントンで演説し、11月の中間選挙を前に、中国が秘密工作やプロパガンダ機関によって、対中制裁を繰り返すトランプ大統領に反対する世論誘導を目指していると公然と批判した。
さらに、中国がアジアやアフリカ、中南米諸国に「借金漬け外交」を展開していると指摘。インフラ投資で対中債務を増やして影響力を拡大する手法を非難した。
背景には、トランプ政権が中国を米国主導の国際秩序を脅かす「修正主義勢力」と位置付け、政治・経済面での台頭に危機感を抱いていることがある。米紙ワシントン・ポスト(電子版)は4日、ペンス氏の演説を受け、「対中戦略を根本的に転換する計画を公にした」と指摘した。
米国は9月以降、制裁関税の第3弾に加え、中国軍がロシアの戦闘機を購入したことを理由に、中央軍事委員会幹部を制裁指定したり、台湾へのF16戦闘機の部品売却を決めたりするなど対中圧力をすでに強化している。
これに対し、中国も対抗姿勢を見せている。米駆逐艦が9月末、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で、中国の過剰な海洋権益を否定する「航行の自由作戦」を行った際、中国艦艇が約40メートルまで異常接近した。
ただ、対立がこれ以上エスカレートするのを避ける動きもある。6日から日本や北朝鮮など東アジアを歴訪するポンペオ国務長官は、8日に中国も訪問し、高官と会談する予定。緊張緩和を模索するとみられる。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181006-00000018-jij-n_ame
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