もろずみはるか 夫と腎臓とわたし~夫婦間腎移植を選んだ二人の物語

今月、お笑いトリオ・ネプチューンの名倉潤さんが、頸椎(けいつい)椎間板ヘルニア手術による侵襲(しんしゅう)によってうつ病を発症し、リハビリのため2か月間休養することを発表した。

名倉さんの勇気ある告白に尊敬の念を抱くとともに、手術が及ぼす精神的ダメージを再認識した私は、あの日の夫を思い浮かべて、背筋が凍りつくのを感じた。

夫は東京マラソンにエントリー

1枚の写真がある。写っているのは私と夫。名倉さんが手術を受ける約3か月前の2018年3月、私たちは夫婦間腎移植を受けた。

写真は、手術の直前に撮影されたものだ。2人はカメラに向かって微笑(ほほえ)んでいる。しかし精神状態は大きく異なっていた(…というのは、術後しばらくして知った)。

レシピエント(臓器をもらう側)の私は、希望に満ちあふれる笑顔。夫が「僕の腎臓をあげる」と申し出てくれたおかげで、25年間苦しんだ慢性腎臓病と決別できる。

手術への恐怖は皆無だった。カメラの向こう側では、共に病と闘ってきた他の患者さんたちが「がんばってね!」と手を振り、壮行会のような明るいムードだった。

ドナーの夫も笑顔。しかし、後でわかったのは、それが自らを鼓舞するための笑顔だったことだ。本当は、手術への恐怖心でいっぱいなのに、夫婦で長生きするため、役割を果たそうとしてくれていた。

健康な体にメスを入れ、臓器を一つ失う。しかも、手術を受けた時、夫はまだ39歳だった。術後20年間、一つの腎臓でサラリーマン人生を生き抜かなくてはならないことも大きなプレッシャーだったようだ。

手術から1年5か月がたつ今、夫の予後は順調そのものだ。つい数日前も、東京マラソン2020のフルマラソンコース(42.195キロ)にエントリーし、「サブ3.5(3時間30分切り)を目指します」なんて明るく振る舞ってくれた。

しかし、私は、その優しさを額面通りに受け取ってはならないと思っている。医学的には、夫婦間腎移植は成功している。

しかし、この先、20年、30年と、心身ともに健やかな日々を送れるかどうかは、レシピエントの生き方にもかかっている。夫がその生涯を閉じる時、「いい人生だった」と言ってくれるその日まで。

ネットの反応

1.
夫婦仲よく元気で暮らせるんだから・・・

私は、主人が腎臓が悪くて移植できる身体なら、あげます。
これからの二人の人生が幸多かれことを祈ります。

2.
素直に夫婦2人で幸せな人生をと思いました。
2人で苦難を乗り越えたからこそわかる幸せって凄い事だし、真似は出来です
3.
きっといつか時間が解決し、折り合えるようになって欲しい
4.
夫婦での「子はかすがい」と言われるが、この場合「妻の腎臓はかすがい」なのだろうか。一生仲良く暮らして貰いたいものです。
5.
これだけ思いやっていれば、ご主人の救われてると思う。

適合性が必要な骨髄移植のドナーなんかは、ホント辛いと思う。

6.
僕は違う。僕も腎移植でうちの妻に移植したが、
僕の願いは1日でも長く持って欲しいではない。

短くてもいいから制限のない食生活を送って欲しい。
制限のない時間を使って欲しいと思ってる。

せっかく元に戻ったんだから、やれ水を何リットル飲まなければいけないや、あれやこれは体のために我慢と思って欲しくない。その結果が腎臓が後一年しか持たなくても僕は後悔はない。

なんとか5年経ち今のところ僕の残った腎臓よりも渡した腎臓の方が機能している。

7.
題名だけ見るとその夫にもう心がなくて・・・みたいなことかなと恐る恐る読んだが、それは杞憂だったが。
デリケートなところですね。
8.
自分は生まれつき腎臓が一つです。将来妻に迷惑を掛けるかもと不安を感じます。毎年健康診断に行って健康に気を付けているつもりですが…腎臓についての記事を見ると気になって読んでしまい不安になります。
9.
この記事は、同様の状況に置かれている方、またはその周囲の方たちに気付きを与えるものであると思います
たとえば患者の弟とドナーとして適合した兄がいた時、親や祖父母が簡単に移植を促す話は聞いたことがあります

もし同僚が「従兄弟のドナーとして適合したが、申し訳ないが手術は断った」と話していたとして、この記事を読んでいなければ「え、何で」と思う人もいるんじゃないかな
丁寧な良い記事を読ませていただきました

10.
>かつて、人生はシンプルなものだった。誰かを好きになって、愛に変わる。愛した人が病気になり、やがて永遠の別れがくる……

「愛した人が病気になり」って決めつけてる所に違和感。

11.
生きてる人からもらうのはきついなぁ
12.
友人の両親が同じく夫婦間での腎移植をしたが、腎移植することで癌になる可能性があると言われていた。
でも可能性があるだけだからねと言って手術して成功したのに術後数ヶ月の検査で大腸癌が見つかり切除。その後肝臓に転移。

抗がん剤等の治療で元気にされていたが最後2ヶ月でいきなり嘘みたいに悪くなり病院から帰れぬまま3年持たずに亡くなったので腎移植の手術に良い印象が持てない。

よくなるために受けた手術で癌ができて死ぬなんてと友人が泣きじゃくっていたのが忘れられない。
この方達は元気に過ごされてるようだが腎移植を考えてる人はよく考えた方がいいかも。

13.
この状況下では腎臓を提供しないという選択肢は無いでしょ。孫なら腎臓でも肝臓でも角膜でも医者が認めるなら心臓でも提供出来ますけどね。臓器移植は大金掛けて外国へ行き順番繰り上げてまでするのには反対です。家族間なら希望通にでしょ。
14.
今の時代、一生涯添い遂げる事があまり現実的ではなくなった。
仮に妻に腎臓を移植後、何らかの形で離婚の可能性はゼロでは無い。

もしそうなった時に移植した腎臓を返せとは言えないしとても難しい問題だ。
怪我ならまだしも、健康な身体から腎臓を片方摘出するリスクってどうなのか?

またあげた夫の残りの腎臓が悪くなる可能性だって無い訳では無い。
夫婦って難しいな。

15.
私は成長過程で1つしか腎臓が成長せず、主治医と相談し、若いうちから食事は節制しています。
まだ若いので大きな病気はありませんが、膀胱炎や脱水症状には良くなります。

それでも普通の人と同じように仕事もしていますし、旅行も出来るのですが、いずれは誰かの腎臓をもらいことになるかもしれません。

辛いけど、一緒に生きる道を選んでくれた人と向き合って一緒に長生きできると良いですね!
そんな素晴らしい旦那様と出会えた事が羨ましいです!

16.
俺ならあげない。

おやがいるなら親から貰うべき

17.
この先も愛する人との時間を共有したいと思うなら、腎臓1個くらい喜んであげるわ
18.
妻を失いたくない、その為なら何でもできる。そんな思いを持てる旦那、素晴らしいね。本物の愛情だね。
19.
旦那様の本気の思いやりですね。
とても良い人と出会えたと思います。

記事を書いた方がご本人みたいですが、、

お2人で仲良く生きて欲しいです。

幸あれ!!

20.
ありきたりな言葉かも分からないけど
それが”夫婦”なんだと思います。
苦楽を共に歩んでいく。

それに尽きると。
人生 結局プラスマイナスゼロですもの…
お互い 一緒になれて良かったねって思えたら幸せなんじゃないかな。

身体だけの弊害じゃなく、金銭の問題の時もある。
何はともあれ”夫婦”で居続ける事が全て物語ってると思います。

そういう私は 今 別居中ですが。

21.
腎臓移植したご主人はすごいなぁと思う。
確かに奥さんとの先を考えたら移植したいとは思うだろうけど…。

自分が病気で手術するってなっても恐怖なのに、健康でいて助ける為にって中々勇気がいる事。

22.
気にしないでという意見もあるだろうが、感謝は大事です。
この方の考え方が精神的に追い詰めるものなら、

今すぐやめた方がいいと思いますが、
そうでなければ感謝は常に持っておく方が良いでしょう。

実際に旦那さんはそれだけのものをくれたと思いますよ。

23.
これはたまたま、幸運な事例では?
とある市長さん、腎不全でお亡くなりになりましたが以前奥様に、腎臓をひとつあげてたそうです。

ひとつになった腎臓に高負荷がかかった。。と誰もが想像しますよね。

2つあるものは意味があると思います。。

24.
元々、遺伝なり体質から来ている、腎不全は苦しいね。
最近の腎不全は、糖尿病からの合併症からのケースが圧倒的に多いので、こういう場合はできる限り、腎移植ができるならそれがいい。

でも、旦那さんが提供するなんて勇気ある決断ですね。
腎移植をどんどん提供できるドナーを増やせば、透析は必要なし。

透析患者で経営が成り立っている病院をへらしましょう。

25.
自分の腎臓が大好きな奥さんの病を助ける事になるなら全く躊躇しない。喜んで提供するよ。
もっと奥さんを大事にしたくなる。

だから旦那さんに感謝こそして欲しいけれど気に病む必要はないよ。
旦那さんだって病に苦しまなくていい奥さんといつも一緒にいられることが一番の幸せなんだから。
でもいい夫婦だぬ

26.
なぐらさんのくだりは要らない
27.
旦那様の言葉、私も同感です。
私は8年前に夫に提供しました。移植はリスクもありますし、子供がいれば慎重になるのは当たり前です。
ただ夫に元気になってほしい一心でした。今も後悔していません。夫も元気です。

日々忘れることはないですが普段は口にしません。口下手な主人が毎年の移植日になんとなく言葉をかけてくる時は嬉しくなりますけど。

この先も提供したことで自分が病気になったと責めることもないです。返せないものですから。それをするなら最初から提供していませんね。

肉親以外でそう思える人と夫婦になって、自分は幸せだな?と思っています。

28.
たぶんね、この女性の方が軽く鬱入ってるんだよ。
男性じゃなくて、女性の方。

夫はね、健康だけじゃなく、精神面も見るに見かねて腎臓くれたと思うのよ。

夫からすればこんなんでイチイチ落ち込まないで、健康になったんだから明るくなって欲しいと思うんだよね。
無理にじゃなくて「ふつうに」。

29.
生体腎移植を否定するつもりは全くありませんが、なんとか献腎移植の比率を上げられないものでしょうか…。
例えば献腎移植をしたドナーの遺族には、レシピエントの健康保険から100万円支払うなど。

本人は亡くなったあととはいえ、お葬式代ぐらいはと思う方もいるでしょうし。
レシピエントの健康保険からすれば、年間何百万円もかかる透析の費用を考えればけしてバランスの悪い話ではないかと思うのですが…。

何でもお金で解決すべきではないのは分かりますし、犯罪の引き金にならないよう制度を考える必要はありますが、ドナーにも何がしかのメリットがあった方が浸透しやすいのもまた事実かと思います。

30.
愛する人のためにできることがある…こんな幸せなことはきっとないと思います。
旦那さんはとても幸せですよ。あなたと出逢えて…