巨人の菅野智之(29)が14日、神宮球場で行われたヤクルトとのクライマックスシリーズ(CS)・ファーストステージの第2戦で、史上初となるポストシーズンでのノーヒットノーランを達成、チームは連勝で広島とのファイナルステージへ駒を進めた。
菅野は7回二死から山田哲人にひとつだけ四球を与えて完全試合は逃したが、113球を投げて、三振が7個、外野フライ11個、内野ゴロ6個、邪飛3個の投球内容で“ノーノー”をやってのけた。“下克上実現”に向けて先発、抑えの“フル回転”も宣言した。
菅野は、27個目のアウトをグラブにおさめたセンターの陽に向かって両手をVの字に広げると、そのままホーム側を向き、駆け寄ってきた小林と抱き合った。
序盤のピッチングは繊細で丁寧だった。
打たせて取るー。
立ち上がりから、力まずホームベースを広く使いスライダーを低目に集めた。3番の山田をカーブで三振に取ると、続く2回はわずか9球で料理した。前日のCSファーストステージの初戦でピンチを切り抜けて勝利投手となった上原は、「(明日の菅野は)一人で投げきってください」と“らしいエール”を送っていた。その冗談とも本音とも取れる言葉が、菅野の胸に突き刺さっていたのか。
「昨日もいい流れでチームがつないでくれたので、何とか波に乗って今日も投げることができた」
変化球を軸にした序盤の菅野のペースは明らかに完投を意識したものだった。
長野、マギー、亀井の一発攻勢で4点のリードをもらった5回には、ひとつギアを上げた。バレンティンのインサイドを突きバットをへし折った。6回のヤクルトは、代打攻勢。だが、菅野のフォークが冴えた。一死から代打・田代をフォークで三振、続く代打・西田にもフォーク。西田はバットに当てるのが精一杯。この回も3人で終えると菅野は、パーフェクトを「意識した」という。
しかし、槙原寛己氏以来、24年ぶりとなる完全試合の扉は重たかった。7回二死から今季3度目のトリプルスリーをやってのけた山田にファウルで粘られて、フルカウントになると、8球目のスライダーが曲がりすぎた。
痛恨の四球……。菅野はマウンドを苦笑いしながら歩く。完全試合は途絶えた。
「もったいないなと」
だが、気持ちは切れない。
「(今季限りでの辞任を発表した)高橋監督と1日でも長く野球をやりたい」との思いが根底にある。続くバレンティンにもファウルで粘られたが、最後はスライダーをアウトコースに決めると、今季38本塁打、131打点の4番打者のバットは、そこに届かなかった。
8回も雄平、西浦を続けてレフトフライに打ち取り、大引には低目いっぱいに投じた147キロのシュートが、小林のミットに吸い込まれて見逃しの三振になると菅野はガッツポーズ。飛び跳ねるようにしてベンチへ帰った。
もう場内は異常な雰囲気だった。引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181015-00010001-wordleafs-base
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