本物のマラソンは、選手が1人でゴールを目指し、ペースを上げるも落とすも、あるいは体調に異常を来して途中でレースをやめてしまうも、全て本人が判断する。
しかしシステム開発は、ユーザーとベンダーが協力してゴールを目指す「二人三脚」のようなものだ。どちらかが勝手にペースを変えたりレースをやめたりしてしまうわけにはいかない。
ゴールを目指して一生懸命足を動かし続けているのに、一緒に走っているパートナーが突然足を止めたら、走り続ける選手は転ぶかもしれない。場合によっては大けがをすることもある。
同様に、システムの完成を目指して一生懸命作業をしていたベンダーに、ユーザーが突然プロジェクトの中止を申し入れると、ベンダーは財務的な痛手を被ることがある。
このとき、ユーザーとベンダーの間に正式な契約があれば、ベンダーはユーザーの一方的なプロジェクト中断を糾弾し、損害賠償の請求などを求めることができる。しかし、正式な合意がない場合は、どうなるのか。
システム開発プロジェクトはしばしば、正式な契約を後回しにして作業を先行させてしまうことがある。そのプロジェクトが途中で頓挫してしまったら、ベンダーはユーザーに何らかの補償を求められるだろうか。
IT訴訟事例を例にとり、トラブルの予防策と対処法を解説する本連載。今回取り上げるのは、ユーザー上層部の指示で開発が突然中止になった事件だ。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190710-00000001-zdn_ait-sci
ネットの反応
勝手だな~~と思うけど、契約は毎回しっかりと!ですね。
今の時代に「信頼の原則」はございませんよ。
そもそも、注文書、もしくは客先のリーダーの氏名入りの発注内示メールド等のエビデンスなしで進めていたベンダーが馬鹿。お客が大手であろうが小さい会社であろうが、決められた手順で仕事をしなかったベンダーも悪い。
IT系に限らずですが・・・
打合せと称してユーザー側から様々な要望が出された際、「営業行為」なのか、「先行着手」なのかについて
ベンダー側が明確にした上で実施する必要があります。
営業行為ならば営業経費の予算内で、
先行着手ならば失注リスクを踏まえた先行着手予算を見積もり、
「これ以上は発注が無ければ出来ない」旨を伝えるべきですね。
営業は仕事が欲しいし、
開発は事後の開発スケジュールを考慮して早く着手したい。
「コンプライアンス意識」の徹底です。
ユーザー側は本件事例のように訴訟となる場合を踏まえた
リスクヘッジをしておかなければならないので、
当該判決は妥当でしょう。
ただ、ユーザー側にコンプライアンス意識が無いことが多いので、
独禁法・下請法等の厳格運用を望みたいところです・・・
まあそもそもIT業界の慣習的に存在する事前着工がおかしいんだけどね。
※事前着工とは・・・IT業界でない方にふわっと説明しますと、キッチリとした契約書を作成するには、ユーザー側がある程度こういうものが欲しい、という形を決めることが必要。
でもその形って専門家でもないユーザー側が作るので、レビューなどでIT業者側が「それは難しいので高いです」等と言ったりして、結構変わるんですよね。
なので、ユーザー側が大体こんな感じで発注する「予定」ですとだけ伝えて、IT業者側は契約書を交わす前から先に進められる範囲で作業を始める、という慣習がある。
発注されてないのに納期が迫るとか、通常ではありえないんですけどね。
よーわからん、最初のページ途中で挫折W タイトルト出だしで中身が決まる!?
建設業にですが同じような事があります。
会議の議事録に書いてあっても無駄な事があります。
正式な契約ができていなくても発注書の発行はできるはずで、受注側はそれが発行されなければ作業を実施しないようにすべきです。
私は個人事業主のため、記事とはまるで規模が違いますが、私のクライアントは作業開始時に上位ユーザーとの契約未完の場合は、必ず仮発注書を発行してくれています。
ユーザー側にもそういう意識は必要かと思います。
受注者(ベンダー)側がそのつど契約を結ばない理由に、依頼者(ユーザー)が契約書を嫌がるという事情もあるかと思います。
私は依頼者とこれまで何度か話し合って要件定義したのに、契約書の話をした途端に音信不通になった経験が何度もあります。
契約書確認・締結という作業を依頼者が負担に感じたり、「騙されたりしないだろうか」という恐怖を感じるのかもしれません。
それでもトラブルを避けるために契約内容の説明は確認はしっかり行いますが、本記事のように先に作業を進めてから請求したいという気持ちもよくわかります。
もっと依頼者側が「契約する」という行為に真剣に向き合ってくれたら良いんですけどね。
>そうしている間にも納期が迫ってくるので、作業を止めるわけにもいかない。
これは本当なのですか?正式に発注されなければ納期を守れないという交渉をするのが本当の管理職・責任者なのですが。それすら許されないほど立場が弱いのだとすると、下請法など様々な法令に違反している可能性も
あるのではないでしょうか。
最先端のIT企業とはいえやってることは私のような中小企業よりも稚拙なんですね。 個別契約の前に基本契約書だけでも取り交わしておくべきではないでしょうかね。
契約書が無いまま見切り発車したのも問題だとは思うけど、根本的に問題を裁く裁判官にそれら業務の苦労や慣習に対する知識が無い事も問題。
ユーザー側の信義則違反を認めての本件での裁判所の判断は妥当。
またベンダー側の請求した額から3割減じたところも含め、この当時の東京地裁の裁判官の判断はまともだと思います。
本件に限らず、商品やサービスの取引を持ち掛けたり、持ち掛けられたりしてお互いにその売買の検討に入った以上、相手方を傷つけない(無用な経済的損失が出ない)ように努めなさいという内容ですね。
両者とも程度の差はあれ、それに関してコミュニケーション不足ですし、対価としての金額が明確に記載された契約書らしきものも無いとの事。
あまり商慣習が確立されていない分野なのかもしれませんが、それならなおさらよく話し合い、記録になるものを残す事をちゃんとやるべき。
日々費消するような商品の売買にまで契約書うんぬんとは述べませんが、本件のように金額も大きく、1時間や2時間で済む仕事量でない場合は、対策を講じないと大事になります。
これは建築業界の見積無料文化の延長線上にある問題。
しかし、建築業界の分厚い利益率までは真似できなかった。
あああああああ
IT業界特有とは言えないけど、慣習法的な形で打ち合わせで発注依頼が合意されれば、作業はスタートさせます。 何故かと言えば、納期から逆算した形で受注側は工数や期間、機能等を提示しているからです。
確かに担当者間の合意は有ったにせよ、億を超える作業に対して契約書も無しというのは信じられません。普通は要件確定後に契約だと思いますし、作業工程が多いときはフェーズ毎の契約かと思います。
契約まで待っているとその期間、社員を遊ばせておくことになるが、かといって仕事が無いからと社員に給料払わない訳にはいかない。
じゃ別プロジェクトに投入したら、いざ契約がまとまっても今度は空いてる人がいなくて引き受けられないという状況になる。
だから人員確保の理由でも契約前の先行着手は当たり前のように行われている、それは会社間で長年の信頼関係があるからだが。
契約無しで何でやる?って考えるのは普通の考え方だと思いますが、実際に現場で見てるとやらざるおえない状況もあるとおもいます。
待ってても仕事が来る会社がシステム開発の会社。営業して仕事取りに行く会社はエセ。だから、安いし、辞めていく。
たとえ親会社だろうと、
契約には違約金の欄が必要かも知れない。