[北京 25日 ロイター] – 中国商務省の王受文商務次官は25日に開いた記者会見で、米国が「中国の首にナイフを突き付けている」ため、米中の貿易交渉を進めることが困難になっていると主張し、交渉をいつ再開できるかは完全に米国の「意志」にかかっていると強調した。また、中国の王毅国務委員兼外相は同日、米国との対立は双方にとって損失につながると述べ、米政府との対話は脅しや圧力のもとでは行えないとの見解を示した。
外相はニューヨークの米中ビジネス協議会(USCBC)で、米国の一部が貿易や安全保障において中国に対し根拠のない非難をしていると述べ、こういった非難が米中関係の好ましい雰囲気に水を差したと批判した。
外相は「これが続けば、過去40年間に築き上げた中国と米国の関係が一瞬にして壊れる」と語った。
米国は24日、2000億ドル相当の中国製品に対する新たな関税を発動し、中国も600億ドル相当の米国製品を対象に報復関税を発動した。
新華社によると、関税発動後間もなく、中国国務院は米国との貿易摩擦に関する白書を公表し、「通商いじめ」を行っているとして米国を非難。関税などの措置を通じて他国を威嚇し、自国の意思に従わせようとしていると主張した。
みずほ銀行は顧客宛ての報告書で「(中国政府からの24日の)厳しい批判は、無駄に終わるかもしれない交渉よりも、米国の現政権が退場するのを待ちたいという中国政府の姿勢を示唆している可能性がある」とし、「こうした情勢を考慮すると、当分の間は両国が交渉を再開しない可能性が強まっている」と指摘した。
王受文次官は、これまでの貿易交渉のすべてが無駄だったとは言えないが、米国側は中国との相互理解を放棄したと語った。
また、貿易に関する中国との先の合意後に、なぜ米国が心変わりしたのか中国には分からないと述べた。
さらに、中国は米国との貿易摩擦で米国に対する報復を強いられているとし、液化天然ガス(LNG)生産者を含む米国の輸出企業が「確実に」被害を被るだろうとも述べた。
一方、中国政府の報復措置によって他のLNG輸出国が機会を得るとの考えも示し、オーストラリアは中国にとって重要な燃料の供給国だと付け加えた。
中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙「環球時報」は25日付の社説で「中国は強大な国であるため、中国との対立は経済的であれ軍事的であれ、膨大な犠牲が伴う」と主張。「従って、中国と平和裏に共存することが、米国を含む各国にとって魅力的な展望だ」と指摘した。
王次官との記者会見に同席した商務省の傅自応次官(国際貿易交渉代表)は、米国が米中貿易によって、中国よりも多くの利益を得ているとの見解を示した。
工業情報省の羅文次官は会見で、貿易摩擦がリスクやコストを高める恐れがあるとして、一部外国企業が中国から撤退し、別の場所に移ることを検討していることは認識していると述べたうえで、中国政府は外国企業のニーズに対応し、税負担の軽減に取り組んでいると説明した。
また、貿易戦争は世界のサプライチェーンを混乱に陥らせるリスクがあると指摘した。
中国政府高官らは、米政府が主張するような、外国企業に中国合弁会社への技術移転を強制してはいないとあらためて主張した。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180925-00000049-reut-cn
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