プロ野球セントラル・リーグは広島東洋カープが独走でリーグ3連覇を達成し、2位東京ヤクルトもほぼ順位が確定したといってよく、目下のところ焦点はCS出場権のかかる3位争いだ。だが、3位の可能性を残している阪神タイガースの日程消化が進まないことで発生しているのが、CS(クライマックスシリーズ)出場権確定期限へのタイムリミット問題だ。
CS日程の関係から、CS出場チームをCS開催2日前となる10月11日の試合分までの順位で確定させなくてはいけないことから「ダブルヘッダー開催(1日2試合の開催)」をするかどうかで話題となっている。
台風24号の接近に伴い、9月30日のナゴヤドームの阪神×中日戦まで中止となり、とうとう10月11日まで全て試合をし続ける日程となりそうなことがほぼ確定した。
本稿ではCSの是非は述べない。指摘したいのは、この問題は現状のルールたちの不具合によって生じているということだ。先にその問題点を列記し、一つずつ説明する。3つの問題が相互にかみあわないことで問題が大きくなっているというのがわかるはずだ。
《CS制度とセリーグのアグリーメントで発生した不具合》
①CSによって日程消化に厳しさが生まれている
②ダブルヘッダーは20分しかインターバルを設けられない(日程消化を阻害)
③CS出場権確定期限までに日程消化をする義務は球団にはない
◆CS制度を設けた時点で日程は昔より余裕がなくなっている
まず『①CSによって日程消化に厳しさが生まれている』から。
CSを開催する以上はシーズン日程に期限を設けるという大前提が生まれる。日本シリーズから逆算し、CS、レギュラーシーズンと終了させねばならない日というのが作られるわけで、
CS制度がなかった頃よりも日程は厳しくなるのは、開催要項を検討する際に重要なことだったはずだ。
もちろん、考慮がなかったわけではない。セリーグのアグリーメントには「CS開催2日前までの順位でCS出場権を確定する」ことが明記されている。
簡単にいえばCS向けの「打ち切り」が可能なのだ。ただ、今起きている状況では、それでは考慮は甘かったのだがその理由は後述する。
1日に2試合開催することをダブルヘッダーと呼ぶ。プロ野球でもドーム球場が少ない時代にはよく見られた秋のダブルヘッダーだが、ドーム球場の増加に伴い、ここ最近はダブルヘッダーを見ることはなくなった。
9月26日と30日の中止試合は10月10日、11日に組まれそうな見込みとなっている。さらにもう1試合中止になった場合、
いよいよダブルヘッダーをやるのか、それとも12日以降に試合をし、CS出場権から除外した試合が行われることになるのかという現実がやってくることになった。
しかし、阪神球団はダブルヘッダーに難色を示しているという。
◆『ダブルヘッダーのインターバルは20分』という謎アグリーメント
ここでダブルヘッダーに関して、セリーグアグリーメントがCS制度と相容れないルールを設けてしまっている点を指摘したい。それが『②ダブルヘッダーは20分しかインターバルを設けられない』というものだ。
阪神球団がダブルヘッダーに難色を示している理由として、「ダブルヘッダーは第1試合終了後、20分以内に第2試合を開始しなくてはいけない」ルールに対して、
対戦相手が第1試合と第2試合で違う場合など、観客や対戦相手も含めて入れ替えが短時間では困難だという点を理由としているようである。(ちなみに観客入れ替えをする場合は30分以内までとなっているが、それでも短い)
この阪神球団の言い分はもっともだ。第1試合と第2試合で対戦相手が一緒であることを大前提としているとしか思えない。
仮に対戦相手が一緒だったとしても20分の間隔は厳しすぎる。CS争いのためにどれだけ日程消化をがんばろうとしても、ルールによって興行として実行が難しくなるというのは「考慮が足りない」。
さらに、そもそもこのダブルヘッダーの開催をするかしないかの決定が先延ばしされていることそのものが実は問題だと指摘する人は少ない。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180930-00175805-hbolz-soci
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