「試合数を増やし、何とか男子ツアーを活性化させたい」
日本ゴルフツアー機構(JGTO)は2016年に海老沢勝二会長に代わって、世界のアオキこと青木功を会長に担ぎ上げた。
ところが青木体制になっても試合数は一向に増えず、今季は海外開催2試合を含めて25試合(ANA中止のため実質24試合)しかない。現状は38試合の日本女子ツアーに大きく水をあけられている。
そして来季はすでにレオパレス21ミャンマーオープンの主催者が撤退し、1試合減が決まっていた。
そして、ここにきて高額試合がまた消滅することになった。
それも青木会長が原因というから大問題だ。
消滅するのはJGTOに来季の開催申し込みを済ませていた「ISPSハンダマッチプレー選手権」(賞金総額2億3000万円・優勝5200万円)、
新規トーナメント「ISPSハンダ東京オープン」(賞金額未定)と、下部ツアー「ISPS HANDAチャレンジカップ」(賞金総額2000万円・優勝360万円)の3試合だ。
いずれもISPS(国際スポーツ振興協会=半田晴久会長)が主催者だ。
いったん開催申し込みをJGTOに提出しながら、急転直下の取りやめには何があったのか。
先月9日、タイのT・クロンパが2アンド1で今平周吾を下して初優勝した「ISPSハンダマッチプレー選手権」の開催前にあった青木会長の行動が主催者の逆鱗に触れたのだ。
大会記者発表は6月18日に都内ホテルで行われたが、その席上に青木会長の姿はなかった。
全米オープンのテレビ中継ラウンドリポーターとして渡米していたからだ。
さらに青木会長はプロアマ大会も体調不良で欠席。それだけでなく大会最終日の表彰式も欠席している。
この表彰式には副会長の石川遼も体調不良で欠席した。賞金と運営費に6億円を用意した大きな大会にJGTOトップがそろって不在だったのだ。
それだけではなく試合を中継したインターネット放送のAbemaTVにも問題があった。
主催者にとって一番大事な表彰式がカットされたのだ。
ちなみにインターネット放送はJGTOの独断で決められ、ISPSには簡単な通告があっただけだ。
「私に放送内容の相談もない上に、大事な表彰式まで無視された。一体何のために6億円(賞金と運営費を含む)もの大金を投じてスポンサーになったと思っているのかと言いたい。
私は東南アジア諸国とビジネスだけでなく、スポーツ、医療、文化などの支援を通じて深い交流がある。そんな中でタイのクロンパ選手が優勝したことはタイにとっても名誉であり、うれしい。それを一切放映しないとあっては、スポンサーになった意味がない」
半田会長は怒りが収まらずに、ついに来季の3大会中止を決断したのだ。
ゴルフ大会はスポンサーが提供する賞金と運営費で成り立っている。その大事なスポンサーをすっぽかして、全米オープンのラウンドリポーターを優先した青木会長の対応は問題が大ありだ。
主催者をないがしろにして怒らせ、試合を増やすどころか試合を減らし、JGTOや男子プロに大きな損害を与えた青木会長はどう責任を取るのだろう。
(ジャーナリスト・宮崎紘一)引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181004-00000025-nkgendai-golf
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