自動運転技術や電気自動車など未来の自動車の競争力を育成するため、世界は規制を緩和して研究開発(R&D)に力を注いでいる。このため世界の自動車産業は快速走行を続けているが、韓国はバックギアに入れて後退している。
中央日報が3日間連載した「リセット、韓国自動車産業」シリーズの結論だ。スウェーデンでは無人清掃車が住宅街を行き来しながらゴミを収集する。
スウェーデン・イェーテボリ市では運転手がいない自動運転電気バスが試験運行中だ。25トンのボルボトラックが列を作って道路を走行したりもする。市が関連規制を緩和したおかげだ。
一方、韓国の自動運転技術力は最下位水準だ。米国自動運転技術調査機関ナビガントリサーチによると、今年の現代車グループの自動運転技術力は調査対象19社のうち15位だった。
昨年の10位から5つも落ちた。規制の影響が大きい。現代車など韓国の20余りの企業・大学が政府から臨時許可を受けた自動運転車は47台にすぎない。
昨年までの運行記録は計19万キロにすぎず、データ蓄積から競争国とは大きな差がある。韓国企業の競争戦略も望ましくない。海外企業は自動運転技術開発のために戦略的提携をし、関連技術会社を買収している。
しかし韓国自動車産業の昨年の年間M&A(合併・買収)取引額は中国や米国の10%程度にすぎない。企業のR&D投資も不足している。
労使協力で生産性を高めたドイツ、スペイン、日本の事例は印象的だ。サッカー場18個分の広さがある独ライプツィヒのBMW電気自動車ラインではわずか50人ほどが働いている。ロボットが車体を組み立て、人は部品を供給する役割だけをする。
スペイン最大の自動車ブランド「セアト」の工場では、労働組合が先にロボットの導入を要求して生産性を高めた。
スペイン政府はさらに労働組合との同意なく労働柔軟化を強行し、低賃金の東欧に流れるグローバル企業の国内生産量を守った
。日本のトヨタも効率的な自動化投資などで第2の全盛期を迎えている。戦闘的な自動車労働組合と労働組合寄りの政策の韓国では想像しにくいことだ。
未来が見えず、不安感は強まっている。自動車生産量は10年前の水準で後退し、自動車と部品会社の利益率が大幅に減少した。
製造ラインの高い賃金と低い生産性は変わらない。部品会社が相次いで法定管理(会社更生法適用に相当)に入ると、現代・起亜車の1次協力会社までがワークアウト(企業改善作業)を申請した。成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源部長官が就任初日に自動車部品会社の現場を訪れるほど深刻な状況だ。
協力部品会社が倒産すれば自動車産業の生態系の土台が没落する。雇用規模が造船業の3倍、輸出の11%を占める自動車産業が崩れれば、韓国経済は維持できない。韓国自動車産業の非常ベルが鳴っている。経営者も、労働組合も、政府も危機意識を持って格別の解決法を考える必要がある。今リセットしなければ韓国自動車産業の未来はない。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181004-00000042-cnippou-kr
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