「20年後には無駄な投資になっても今お金を使うこと、失敗しても未来を眺めて投資を続けることが国の品格だ」。テレビ朝日の「報道ステーション」で2日に紹介された元老政治家の発言だ。
「失敗しても国のために必ず使うべきお金」に挙げられたのは基礎科学研究に対する投資だ。本庶佑・京都大特別教授(76)が2018年ノーベル医学生理学賞を受賞し、日本では「本庶ブーム」が起きている。
ところが「日本国籍者24人目のノーベル賞受賞」という快挙の中、日本はむしろ基礎科学に対する投資の委縮で暗鬱になる日本科学の未来を心配している。2000年以降、科学分野だけで16人のノーベル賞受賞者が出たのは、
1980年代の中曽根政権時代に本格化した国レベルの支援が大きな役割をした。しかしバブル経済が崩壊した後、基礎科学への投資額が少しずつ減っている。
国立大が基礎科学研究に投資できるよう政府が支援してきた運営費交付金も2004年の1兆2415億円から今年は1兆971億円へと1444億円ほど減った。
日本発の学術論文の件数と存在感も2000年代初期に比べて下降線を描いている。このため未来のための投資をせず今日のノーベル賞を喜んでいては、後に日本を追い越す中国の後ろ姿を眺めるしかないという危機意識が少なくない。
本庶教授も同じ趣旨の発言をした。抗がん物質関連の収益とノーベル賞の賞金を研究基金設立のために京都大に寄付すると明らかにした2日の記者会見でだ。
本庶教授は「若い科学者が『基礎科学研究に人生をかけてよかった』と思えるような国になるべきだ」と強調した。そして「今は日本という国を自動車とIT産業などが支えているが、後にどの産業分野で革命が起こるか分からない」とし
「人間の根幹であるライフサイエンスに投資しない国は未来がない」と断言した。2010年にノーベル化学賞を受賞した根岸英一米パデュー大教授も「日本はノーベル一流国になったが、まだ超一流ではない」と奮発を促した。
「ノーベル賞の季節に一時的に関心を持つより、いつも科学技術を重要視する国にならなければいけない」という提言が日本社会で出ている。
ノーベル賞強国の日本もこうした雰囲気だが、まだ一人の受賞者もいない韓国は基礎科学への投資を増やすことには腕組みしながら日本をうらやましがるようで残念だ。
ソ・スンウク日本支社長
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181004-00000005-cnippou-kr
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