結婚式「当日ドタキャン」の友人、引き出物だけはゲット→縁を切って正解でしょう。

結婚式当日に、受付を頼んでいた友人がドタキャンしたーー。その理由がひどいので、「ご祝儀を払ってもらうか、引き出物代を返して欲しい」という相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

友人は前日の夜にお酒を飲みすぎて潰れ、当日の結婚式受付時間になっても来ませんでした。相談者は引き出物を郵送型にしたため、欠席した人の家にも届きます。

友人は「ご祝儀を払う」と言いましたが、いつになっても先延ばしにされ、しまいには「ご祝儀は貰えない事もあるのに、催促している言い方してる事に気付いてるのか？もう払う気が無くなった」と縁を切られたといいます。

女性はご祝儀を催促したことについて反省しつつ、「この様な理由で欠席された方に引き出物をプレゼントする事に納得がいかない」とも話しています。

結婚式をドタキャンされた側は非常に困ってしまいますが、相手にご祝儀を払ってもらうか、引き出物代を返してもらうことはできないのでしょうか。

●損害賠償請求はできる？

半田望弁護士は、大きくわけて2つの問題があると指摘します。まずは「結婚式の受付をドタキャンした相手に対して損害賠償請求ができるか」という点です。

「有償で受付を依頼した場合には、業者請負に似たような契約が成立すると考えることができます。この場合、請負人が正当な理由無く受付作業をしなかった場合には、依頼者側に生じた損害の賠償を請求することができます」

無償でお願いしていた場合はどうでしょうか。

「請負契約は依頼者が対価を払うことが契約の要素とされています。そのため無償では本来の形の請負契約が成立した、と評価することは困難だと思われます。

例えば、欠席した友人の代わりに費用を払って受付を手配したということになれば、その費用は損害となりえると考えますが、他の友人に無償で受付をお願いするなどした場合には、損害がないとされる可能性が高いでしょう」

●引き出物は「贈与」

次に「結婚式のご祝儀や引き出物は法律上どのように扱われるか」という問題です。

「ご祝儀は結婚される方へのお祝いですので、法的には贈与となります。また、引き出物は結婚式に出席していただいたお礼や記念の品と考えますので、こちらも主催者から参加者への贈与、となると考えます。そのため、引き出物の代金を請求することはそもそもできないでしょう」

引き出物は贈与に当たるということですが、取り返すことはできないのでしょうか。

「民法上は、書面によらない贈与は当事者が自由に撤回することができます。しかし、いったんなされた贈与については撤回することができません。

ご祝儀や引き出物は、相手に渡されるまではいつでも渡すのをやめることができますが、いったん渡したご祝儀や引き出物を返してください、ということは法的にはできません」

●署名で契約締結していないので難しい

では相談者の事例は難しいということですね。

「はい。友人がいくら『ご祝儀を渡す』と言っていても、書面で贈与契約を締結していない以上、いつでも撤回することができます。そのため、友人にご祝儀を払ってもらうよう請求することはできません。

逆に、引き出物は友人に渡されていますので、相談者が返してもらうことはできませんし、代金を請求することもできません。

受付をドタキャンしたことによる損害と、ご祝儀や引き出物の関係ですが、これは法的には別々のものです。そのため、仮に友人に損害賠償を請求することができるとしても、引き出物代とは別の問題となります」

引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190102-00009043-bengocom-life

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