【AFP=時事】韓国で先週、離婚した元妻を長年にわたって虐待してきた男が、ついに元妻を惨殺する事件が発生し、男と元妻との間の3姉妹が父親に対する死刑を請願している。これについては既に15万人近い市民が支持を表明する一方で、同国におけるドメスティックバイオレンス(DV)加害者に適用される罰則の軽さにも厳しい目が向けられている。
3姉妹の父親は、長年虐待し続けてきた元妻を、先週とうとう自宅アパートの駐車場で刺殺。
娘らは大統領府(青瓦台、Blue House)のウェブサイト上に請願を出し、「父は凶悪犯罪者であり、社会から永久追放しなければなければなりません。これ以上犠牲者を出さないために、父に死刑判決を下すことを嘆願します」と訴えた。これに対し29日正午までに、14万7000人以上から署名が集まった。
逮捕されたこの男は、キムという姓のみが公表されている。男は警察の取り調べに対して元妻の殺害を認めており、弁護士の話では男は自身の行動への「後悔」を口にしていると報じられている。
3姉妹の証言によると、母親は父親からの身体的虐待や殺害脅迫を、過去20年以上にわたって耐え忍んできたという。
娘の1人は日刊紙の朝鮮日報(Chosun Ilbo)に対し、「離婚した後も、父親は刃物を持って私たちの家に来た」「そうなると毎度、私たちは引っ越さざるを得なかった」と振り返った。
娘らの話では、母親は常に父親から逃げ、女性保護施設に身を寄せたり、地方部に何か月も身を潜めたりしたこともあった。しかしその都度父親に見つけ出されては、暴行を受けていたという。
韓国では死刑は廃止されていないものの、最後に刑が執行されたのは1997年で、事実上死刑廃止に傾いているとみられている。
同国では、DV加害者に対しカウンセリングや接近禁止命令が出されるのみで済まされることが多く、今回の事件により、DV対応の不十分さが改めて露呈している。【翻訳編集】 AFPBB News
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181029-00000040-jij_afp-int
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