◆SMBC日本シリーズ2018:第6戦 広島0-2ソフトバンク(3日・マツダスタジアム)
球団史上初の「下克上日本一」だ!! 初めてレギュラーシーズン2位から勝ち上がった福岡ソフトバンクがセ・リーグ3連覇の広島を下し、2年連続9度目(南海、ダイエー時代を含む)の日本一に輝いた。本拠地ヤフオクドームで第3戦から3連勝し、
頂点に王手をかけて戻った敵地マツダスタジアムでの第6戦を2-0で快勝。「甲斐キャノン」で広島の機動力を封じた捕手の甲斐拓也(25)が最高殊勲選手(MVP)に初めて選ばれ、工藤公康監督(55)は就任4年で3度目の日本一に輝いた。
■広島を圧倒4連勝 平成最期の王者、今季初の胴上げ
約7カ月前の開幕時に描いた山頂へのルートとは違っていた。球団史上初のレギュラーシーズン2位からの日本一。遠回りはしたが、敵地広島で常勝軍団の最終目的地である頂に立った。今季初めての歓喜の胴上げ。工藤監督がナインらの手で15度も、宙を舞った。
「最高に幸せ。あんなにたくさん上げてもらって、みんなの手を感じながら、支えてもらっていたんだなという思いがこみ上げてきた。2位という悔しい思いをして、みんなのその強い思いで日本一になれた」
道は1合目から険しかった。昨季94勝の独走Vと日本一を支えたサファテら主力が開幕直後から次々と故障離脱し、93試合を消化した8月5日の時点で今季最多の借金2。昨季の同時期の貯金は30。「俺の決断力が足りない」。勝ち気な男が初めて近い関係者に弱音を漏らし、自分を責めた。
「何かを変えたいなら、まず自分が変わらないと」。8月の遠征中。選手を食事に誘って意見に耳を傾けた。要望の多かった試合中のガムを解禁。
若手には理想の打順も聞いた。「つい『自分が自分が』となるのが投手。自覚はしている」。自分が抑えれば負けない「投手という職業」で通算224勝した男は、1人の力だけでは変えられない現実の前にもがいた。
「当たり前だけど、誰しも抱えているものは違う。人は同じじゃない」。選手との対話で再確認したのと歩調を合わせるように、風向きが変わった。
8月12日からの1カ月間で喫した黒星はわずか4。開幕から独走した西武を猛追した。リーグ優勝は逃したが、終盤の勢いそのままに、クライマックスシリーズ(CS)を突破。セ・リーグ3連覇の広島を破って「下克上日本一」を成し遂げた。
横浜市内の自宅に家族を残した単身生活も4年目。常勝を義務づけられたチームを率い、負ければ厳しく批判される指揮官を支えるのは、今も家族だ。
俳優、プロゴルファーと多忙な子供らを支える夫人に代わり、福岡での暮らしは主に三女の阿偉さんが手伝ってくれる。ナイター後は消化に障らない軽食で迎え、大一番の前には勝利を祈ってカツカレーやメンチカツを用意してくれた。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181104-00010006-nishispo-base
ネットの反応