スター選手の大一番を、テレビは地上波もBSも生中継で放送できない。世界ボクシング協会(WBA)ミドル級チャンピオン村田諒太(32)(帝拳ジム)が、本場アメリカ・ラスベガスのリングに立つ2度目の防衛戦のことだ。現地時間で10月20日(土)の夜、日本時間では21日(日)の昼頃に行われる一戦は、インターネット動画配信のスポーツチャンネル「DAZN(ダゾーン)」が、
テレビ局に代わって「独占生中継」する。ボクシング放送の主な担い手は今後、テレビからネットへと移行するのか。過渡期を告げるゴングが鳴り響いている。(読売新聞メディア局編集部・込山駿)
「僕にとってもチャレンジング」とチャンピオン
10月11日、東京・神楽坂の帝拳ジム。WBAから挑戦者に指名された強豪ロブ・ブラント(28)(アメリカ)との対決を控えた村田の記者会見が開かれた。
スピードと手数で勝負の難敵を、持ち前の強打で倒しにいく展開が予想される中、村田は「100%の準備ができた。いい試合をして勝てれば、王者の立場を示せるし、本場アメリカでの知名度も上がる」と確かな自信をにじませた。
そのうえで、試合の生中継が日本のファンに、テレビではなくネット動画で提供されることについてもコメントした。「僕にとっても、DAZNさんにとっても、チャレンジングな試み。やりがいを感じる」
DAZNは、イギリスの巨大スポーツメディア企業「パフォーム」が2年前に開設したインターネット上の有料スポーツチャンネルだ。
現在は日本、ドイツ、スイス、オーストリア、カナダ、イタリア、アメリカの7か国に拠点を置き、トップスポーツの試合映像を配信している。
月額制の利用料は、日本では1750円(税別)。加入者は、サッカー、野球、テニス、格闘技など130種類あまり年間計1万試合以上の映像を、いつでも何試合でも無制限に観戦できる。最初の1か月間は、無料体験加入となる。
日本では、Jリーグと2017年シーズンから10年間の放送権契約を締結。約2100億円という巨大契約で「サッカー放送の世界に『黒船』が来た」と話題を呼び、DAZNの名がスポーツファンに知れ渡った。
村田とは、世界王座を奪取した17年10月のアッサン・エンダム(フランス)戦直前にアンバサダー契約を結んだ。出演CMをつくり、今年4月の初防衛戦の録画配信などを手掛けてきたが、試合の生中継は今回のブラント戦が初めてだ。
しかも、テレビ各局を抑えて独占配信できるとあって、DAZNの村田担当者は興奮を隠さない。「実力と人気を兼ね備えた村田選手の貴重な2度目の防衛戦、それもラスベガス開催を生中継できるのは、非常に光栄。
我々にとっては、Jリーグとの契約に続く大きなステップで、さらに加入者を増やす起爆剤にしたい」。本場であり、挑戦者の母国でもある米国では、大手スポーツ専門局ESPNと連携して生中継するという。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181019-00010002-yomonline-spo
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