JRA唯一の女性騎手、藤田菜七子。
普段は受けないという密着取材。それを通じて知ったのは、彼女が独自で行なう考え抜いた努力の数々だった。
競馬界には大きな特徴がふたつある。ひとつは連日、朝が早いこと。もうひとつは女性がほとんどいないこと。朝5時。男性騎手たちの中に紅一点、藤田菜七子が現れた。
彼女の一日は調教から始まる。調教は、レースに次ぐ騎手たちの第二の仕事。自分が所属する厩舎の馬はもちろん、他の厩舎の馬もレースがあれば調教する。調教依頼の数は実績に左右されるが、藤田の成績はデビューから右肩上がり。今年の獲得賞金はすでに2億円を超えている。
ひっきりなしに来る調教依頼。それには彼女なりの努力があった。騎手は各馬の調教師からオファーされてレースで騎乗するが、その仲介にエージェントと呼ばれる代理人が入ることが現在の主流。手間を省くため、半数以上の騎手がその方法を取っている。
しかし藤田は違う。労力を惜しまず、自ら調教師たちに声を掛け、乗らせて欲しいと営業をしているのだ。
男性社会で生き抜く術。
自ら懐に飛び込んで人脈を拡げ、騎乗数を増やすのが狙い。藤田が騎手になろうと思ったのはなんと小学6年生の時。自宅近くに美浦トレーニングセンターの乗馬苑があった。それは運命だったのかもしれない。こうと決めたら真っ直ぐ進む。
15歳、高校へは進まず、競馬学校へ。競争率20倍以上の難関を突破した。女性は自分ひとりだけ。好きというだけでは務まらない世界。同じ女子に悩みを打ち明けることもできない。
さらに筋力でも男子との差を痛感させられた。競馬の騎乗は力勝負。力がないと馬を操れない。「私は騎手になれないかもしれない…」そんな言葉が頭をよぎっても、それを打ち消し黙々とトレーニングに励んだ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181109-00010003-tvtokyos-horse
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