にっこり楽しそうに笑う女の子を、男性が抱きかかえている。男性も嬉しそうに笑っている。一見すると、素晴らしく幸せな写真だ。

写っている男性が、アドルフ・ヒトラーでさえなければ。そして、女の子がユダヤ系でなければ。

ヒトラー率いるナチスはユダヤ人を迫害し、後にユダヤ人600万人の大虐殺を遂行した。それにもかかわらずヒトラーは、ローザ・ベルニール・ニナウさんとの友情を大事にしていた。5年後にナチス高官が介入して、やめさせるまでは。

2人の関係を1933年に記録した珍しい署名入りの写真は、米国でオークションにかけられることになった。

写真は、ヒトラー専属の写真家ハインリヒ・ホフマンが撮影したもの。米メリーランド州の競売業者アレクサンダー・ヒストリカル・オークションは、13日に始まった競売では1万ドル(約110万円)ほどの値がつくだろうと予測している。

「サイン入りのものが表に出てきたことはなかった」と、同社のビル・パナゴプロス氏は英紙デイリーメール電子版に話している。

「ヒトラーはプロパガンダ目的で、しょっちゅう子供と一緒に写真を撮った。しかし、この作品は衝撃的だ。ヒトラーは本心からこの女の子に、親近感を抱いていたようなので。愕然とした」

「ヒトラーの恋人」

ヒトラーと女の子は、誕生日が同じだった。それが出会いのきっかけだった。

競売サイトによると、ローザさんは1933年、母親のカロリーネさんと一緒に、アルプスにあったヒトラーの別荘ベルクホーフを訪れた。別荘の外には、ナチス総統の誕生日を祝う大勢が集まっていた。

ローザさんの誕生日が自分と同じだと知ったヒトラーは、ローザさんと母親を別荘に招き入れたとされている。写真はそのとき撮られたという。

それからまもなくして、カロリーネさんの母親がユダヤ人だったことが判明する。ナチスにとっては、ローザさんもユダヤ人ということになった。

しかしそれでも、ヒトラーは少女との友情を終わらせなかった。一緒に撮った写真は、サインをして送っている。

「親愛なる、そして(思いやりのある? )ローザ・ニナウへ、アドルフ・ヒトラー、ミュンヘン、1933年6月16日」と、ヒトラーは書いた。

ローザさんは後に、この白黒写真に自分で花を足しているようだ。

ローザさんは1935~1938年の間に、少なくとも17回にわたりヒトラーと側近のヴィルヘルム・ブリュックナーに宛てて手紙を書いた。ヒトラーの個人秘書マルティン・ボルマンが、ローザさんと母親(ローザさんの父親は死亡していた)に連絡を控えるよう命令するまで続いた。

部下のこの命令を、ヒトラーは気に入らなかったようだと写真家のホフマンは後に書いた。

ホフマンは1955年に発表した回顧録「Hitler Was My Friend(ヒトラーは友達だった)」で、「私のあらゆる楽しみを台無しにするのが本当にうまい連中がいる」とヒトラーが自分にぼやいたのだと書いている。

ホフマンはさらに同書に、「ヒトラーの恋人」とキャプションをつけて、2人の別の写真を掲載。「ベルクホーフで少女に会えるのをヒトラーは楽しみにしていた。しかしそれは、お節介な誰かが、少女が純粋なアーリア人の血統でないと発見したため、終わってしまった」のだという。

ボルマンが、ヒトラーと少女の接触をやめさせた翌年、第2次世界大戦が勃発した。6年後の終戦までに、ユダヤ人600万人が死んだ。

ローザさんも戦争を生き抜くことはなかった。ポリオにかかり、ヒトラーと初めて会った10年後の1943年、17歳でミュンヘンの病院で亡くなった。

(英語記事 Remarkable tale of Hitler’s young Jewish friend)


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ネットの反応

1.
骸骨&骨ズなんかよりナチョスの方が全然マシだけどね。
2.
ヒトラーだって人間だもん。
いいところだってある。
彼を狂わせた原因は何だったんだろう。
3.
本を読んだけれど
本の話は省くが、元々反ユダヤ思想ではなく末端の伝令兵かなにかの時に毒ガス攻撃で生死をさ迷って、回復してから軍の広告塔として出世していった後、軍部で過去を知る人達を排除していってから過激に方針を変えてるんだよな…

確か、少年時代はユダヤ人の同僚とかもいてその頃は、反ユダヤ思想の話は全く無かった様に本で読んだけれど

4.
ヒトラーが行ったことを考えるとヘドが出る
5.
ユダヤ人の定義は正確には民族ではなくユダヤ教の信徒だからね。
様々な利権を独占するユダヤ教に対する下流市民の不満を煽ったのが悲劇の始まりで、元々個人に対する感情とは別物だったのだろう。
6.
この写真の中の穏やかな笑顔の男性が、世界を戦火の渦に巻き込み、多くの人々を虐殺し、そして戦争に負け国とともに破滅した独裁者と同一人物だとはとても思えない。
なんとも言えない、複雑な気持ちになる写真です。
7.
中身を知ると衝撃的な写真だな。
8.
「ヒトラーの笑顔は信じたい」? 意味がよく分からん。

すまん、オレの脳みその容量が足りないのだろうか。

「少女に優しかった、しかし、大量虐殺の張本人だった」

とは思うけど、

「大量虐殺の張本人だった、しかし、少女に優しかった」

なんてふうには、さっっっっぱり、自分は思わないのですが。

人間に双極性や二面性があるなんて、あたりまえだろ。

人間、「社会に何をしたか」が全てです。

内心を処罰する法律がない(作ってはいけない)のは、その趣旨です。

9.
仲良し友情というより、ロリ???
でまたアメリカらしく競売にかけちゃうと。
10.
ヒトラーのユダヤ人系説もある。もしかしたらヒトラー自体がユダヤ人迫害を知らなかったとか知れない。ナチスの幹部が情報統制をしていた可能性すらある。
しかし、戦争責任者としての責任は当然ある。
11.
歴史の真実は表面に出ている事や周知されている事柄以上に、知られていない側面や裏面に真実が隠されているのかもしれない。

もしかしたらヒトラー自身よりも、側近の人物がユダヤ人抹殺を企て実行に移したのかも知れない?
ヒトラーは事後承諾という形で、ユダヤ人ホロコースト計画を知り、後戻り出来なくなったのでは……とも、考えてみた。

12.
戦犯と呼ばれる人達の穏やかな日常を見るたびに、もっと他に道はなかったのかなと悲しくなる。
本当の望みなのか、それとも国を立ち行かせる為の歯車に成得るべく選んだのか。後者だとすれば彼個人は幸せだったのだろうか。
13.
13日に始まった競売では1万ドル(約110万円)ほどの値がつくだろうと予測している。

→安くない?

エセ愛国者にしてヒトラー崇拝者、虚栄心剥き出しのクリニック高須なんちゃらが、名乗りを上げそう。

14.
なんかこの写真悲しいね
15.
普通にロリコンかも


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16.
きちんと記録に残っていることに驚く。
せっせと廃却処分にいそしむ**政府と大違いだな。
17.
すこし切なくなる
18.
ヒトラーにも人としての気持ちがあったんだなってこの写真が言ってるように見える
19.
たった一人の少女だけれど、交流が続いていれば、世界が変わっていたかもしれない。
21.
敢えて、ヒトラーの偉業。アウトバーン、フォルクスワーゲン、ロケット。ユダヤ人600万人虐殺については様々な見解がある、とだけ。
22.
歴史って、うわべだけ知っててもダメなんだなぁ。ちゃんと勉強しないと。
私は歴史に興味がないけど、本当のヒトラーを知ってる人が果たして何人いるのか…
ものすごい裏がありそうに感じるけど…
23.
嫌なたとえだが、ペットとして豚を飼う人間が、豚を食べるのは忍びないと考えるとは限らない、ということなのだろう。その者の中で愛玩する対象としての豚と食肉としての豚は完全に弁別されている。おぞましいのは、ヒトラーのような怪物の中にさえ可憐な少女に向ける慈愛と、
彼女がユダヤ人と知って自分と引き離した側近への義憤があり、それら
がユダヤ人全体に対する観念的な憎悪と深刻な矛盾なく同居していたと
いうことだ。仮にこの少女が病死することなく戦後を生きたとしても、
本人の望まない注目を浴びたであろうことは容易に想像できる。ことほどさようにヒトラーが気まぐれで向けた愛情は業が深い。
24.
ヒトラーはオーストリア出身でヒトラーの親はユダヤ人とも言われているからね。
25.
彼の勝ち誇った笑顔の写真なんて、
今まで直視する事さえ出来なかったけど

これなら、しばらく見ていたい気持ちになる、
かつて見たこともない
奇跡の写真ですね、

正直、複雑な気持ちもありますが、
たしかに、
温かいものを感じるし、
良い表情してますね。

26.
政府と国民の敵をつくれば支持を得やすかったんだろうが、ナチスドイツのホロコーストは絶対に容認できない。
少女に対する笑顔は本物なんだろうが、この少女に向けた笑顔を他のユダヤ人にも向けてもらいたかった。
27.
そもそもヒトラー自身がユダヤ系の血が入っているって聞いたことがある。
まぁ、あの時代のユダヤ人への扱いなんてどこの国も同じだろう。
ドイツにその土壌ができただけで。
きっかけさえあれば、ロシアでもオーストリアでも、フランスでもイギリスでも
そしてアメリカでも同じようなことが起きてもおかしくないのではと、思った
28.
まあ、ヒトラーは戦争に勝つため、敵に軍事機密を金で漏らす恐れが高かったユダヤ人を強制収所に入れたんだろうからね。
29.
麻原も、自分の弟子や子供たちにはとても優しかったそうだね。


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