安田さん解放に関するフランスでの報道
シリアで拘束されていたフリージャーナリスト・安田純平さんが解放されたことについて、フランスの大手紙は次のように伝えた。「フランスでは、拘束されたフランス人が解放されると、空港で祝福される。しかし、安田純平氏は、祝福される代わりに、今回の事態が完全に彼の過ちのせいだったと考える一部の日本人からの侮辱にさらされなければいけなかった」。
同時に、いわゆる「自己責任」についても説明している。
「文字通りだと『個人の責任』という意味だが、(日本では、)制度や法令を守らない人に対して、ネガティブなとらえ方で『(そんな目に遭ったのは)当然のことだ』という意味で使われる」と説明している。
真実を知ることこそ「民主主義」
安田純平さんの解放をめぐっては、批判や賛成など様々な声が上がり議論を呼んでいる。外務省から止められたにも関わらず、シリアに渡航して拘束につながったことや、安田さんのこれまでのツイッター上での発言、そしてこれまでにも複数回拘束されていることなどから、一部では批判が相次いでいる。
今回、安田さんのこれまでの言動に対する賛否は別として、「記者が武装組織に拘束される」ことについて、ヨーロッパ特にフランスでの反応が、日本でのそれとは全く異なることを知った。
シリアなどの中東や内戦中のアフリカ諸国に向かうジャーナリストに対する国民の感情が特別なのである。
解放後の機内で、記者団に話す安田さんの様子を見て、ある程度の違和感を覚えた筆者に対し、フランス人記者は「彼は、反省する必要はない」と答えた。
理由は、「彼のような人がシリアに行かなかったら、そこで何が起きているのか、真実が分からない。真実を知ることは、私たちにとって、とても大事なことだ」ということだった。
このことがきっかけで、今回の件について、他のフランス人にも聞いてみた。
複数回にわたって拘束されていることについては、呆れた表情を見せた人もいたが、それでも10人に尋ねたら、10人とも同じ返事だった。
・「真実を知ることは大事」
・「真実を知らなければ、民主主義を保てない」
・「彼のような人がいなければ、誰が真実を教えてくれるのか」
・「お金を払っても、どんな人であろうと、政府が助けるのは当然のこと」
主な返事はこうだった。
フランス人の中には、「真実を知ること」=「民主主義の根幹」という根強い考えがあるようだ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181031-00010010-fnnprimev-int
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