【女子ツアーで今何が起きているのか】
放映権の帰属をめぐって今、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)と女子ツアーの大会主催者との関係が険悪になっている。
LPGAは文科省管轄の統括競技団体であり、トーナメント開催を希望する企業を公認。その公認料として主催者から700万円を受け取り、協会会員の女子プロや競技委員、事務方スタッフを試合に派遣するのが主な役目だ。
LPGAにも主催大会はあるが、ワールドレディス選手権サロンパスカップ(共催・日本テレビ)、日本女子プロ選手権、LPGAツアー選手権リコーカップ(共催・日本テレビ)の3試合だけだ。
女子ツアーは今、年間38試合(賞金総額37億2500万円)のスケジュールが、3月第1週から11月最終週までびっしり組まれている。
とはいえ協会発足の1974年には9試合しかなく、知名度もゴルフファンの関心も低かった。後援競技6試合を加えても賞金総額1億2245万5000円と、ツアーの体をなしていなかった。
そこで、当時の協会首脳部は放映権料よりも試合を増やして、テレビ中継で女子大会を盛り上げて知名度を上げて欲しいと、大手広告代理店やテレビ局に協力を要請した。だから、テレビ局が主催する大会は歴史が長い。
東海テレビ主催の「東海クラシック(現・マンシングウェアレディース東海クラシック)」は協会発足前の70年スタートと最も古く、今年で48年目を迎えた。
73年には日本テレビ「ワールドレディス」、ミヤギテレビ放送「松島国際女子オープン(現・ミヤギテレビ杯ダンロップ女子)」、毎日放送「LPGAジャパンゴルフクラシック(現・TOTOジャパン)」が始まっている。
78年は北海道文化放送の「北海道女子オープン(現・meijiカップ)」、82年からフジテレビ主催「フジサンケイレディス」、83年から中京テレビ主催「中京テレビ・ブリヂストンレディス」と、テレビ局が開催に乗り出した試合はいずれも30年以上も続く人気大会になっている。
■ネット放送収入の青写真
今日の女子ツアー隆盛にはテレビ局の貢献を抜きには語れず、協会とテレビ局とは長くウィンウィンの関係だった。そんな良好な関係は今、音を立てて崩れ落ちようとしている。
それもこれも小林浩美会長が強引に推し進める「放映権をLPGAが一括して管理する」という手法が、主催者の怒りを買っているからだ。
もちろん、主催者の中にはLPGAに同調して放映権の管理を認めているところもある。それは映像を一括管理することで、海外で日本女子ツアーを放送できるというメリットがあるからだ。
しかし、主催者とのミーティングで「なぜ突然、放映権の話が降って湧いて出てきたのか」と質問されても、小林会長は明確に答えていない。ただ、米女子ツアーの放映権管理の事情を延々と説明するだけだという。
米女子ツアーと日本ツアーでは成り立ちも、歴史も違う。選手層の厚さも違う。米女子ツアーが放映権を持っているから、という理由だけでは、LPGAに放映権が帰属するという根拠には乏しい。
それよりも、なぜ昨年になって急に「放映権を一括管理」と言い出したのか、だ。
そこにはインターネット放送収入がすでに小林浩美会長の頭にあり、青写真まで描いていた。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180920-00000022-nkgendai-golf
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