青学大、東洋大、東海大の“3強対決”が予想されていた全日本大学駅伝は、青学大の2年ぶり2回目の優勝で幕を閉じた。今回の第50回大会から1~7区の距離がリニューアル。各校の指揮官たちは区間配置に頭を悩ませていたが、原晋監督の戦略がズバッと決まった。
青学大は11km前後のショート区間が並ぶ1~4区を終えて、トップの東海大と26秒差の2位につけると、5区から反撃開始。
日本インカレの1万mと5000mで日本人トップに輝いた5区吉田祐也(3年)と6区吉田圭太(2年)の連続区間賞で、東海大に詰め寄る。そして原監督がポイントに挙げていた7区で勝負を決めた。
7区は従来から5.7kmも延長した17.6kmの長丁場。青学大・森田歩希(4年)は東海大・湊谷春紀(4年)と11秒のビハインドで走り出す。
3km手前で追いつくと、両校のキャプテンが並走した。「序盤は突っ込み気味になったんですけど、3kmで追いつけたので、少し休んでからペースを上げました」と森田。残り10kmを切って、初めて青学大が前に出る。
森田は湊谷の動きが良くないと見ると、一気に突き放した。そして、リードを拡大していく。東海大から1分58秒ものアドバンテージを奪い取り、最終8区にタスキを渡した。
セーフティーリードを得た青学大だが、アンカー梶谷瑠哉(4年)も攻撃の手を緩めない。
「前半突っ込むことで、追いかける側は戦意を喪失すると思った」と5kmを14分13秒で入り、後半は安全運転で駆け抜けた。3強の混戦も予想されたが、終わってみれば、青学大が2位の東海大に2分20秒、3位の東洋大に2分46秒という大差をつけて完勝した。
「東海大に引き離されたときは胃が痛かった。1分以上離れたら危険水域でしたけど、最大でも40秒以内だったので、これなら7区森田で逆転できると思っていました。
勝因は森田の快走でしょう。あと、全日本初出場のダブル吉田が区間賞を取ったことも大きい。ふたりの踏ん張りがあったからこそ、森田も楽に走ることができた。いわば、チームの勝利でしょうね」(原監督)
出雲駅伝は1区橋詰大慧(4年)、2区鈴木塁人(3年)の連続区間賞で先制攻撃。終盤は東洋大に追い込まれたとはいえ、他校に影を踏ませず、4度目の栄冠に輝いた。過去に苦い経験をしている全日本は鬼門といえる大会だったが、狙い通りの逆転劇を披露。
今季の青学大は学生駅伝というキャンバスに、自由自在に絵を描いてきた。残るは最も得意とする箱根駅伝。史上初となる2度目の“駅伝3冠”に向けて視界は良好だ。
「全日本では新戦力の台頭もあり、選手層の厚さが出た大会になりました。箱根駅伝に向けては、青山メソッド、勝利の方程式が確立されていますので、1月2日・3日に合わせて粛々淡々と取り組んでいくだけです。例年以上に自信はありますよ。
山上り、山下りもいますし、主力はちゃんと故障なく来ている。ノロウイルスやインフルエンザなどで自滅しない限り、光は見えてきたかな」
原監督の言葉には自信がみなぎっていた。その一方で、ライバル校への警戒も忘れていない。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181105-00010001-wordleafs-spo
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