生まれてから半日 この世を去った我が子
「どれにしよう いちごみるくにしよかな」夫婦が毎日あげるジュースの香りがする線香。その先にある小さな遺骨は、今もたくさんのおもちゃで囲まれています。高瀬柊(たかせ・しゅう)ちゃん。去年の11月20日、大阪市内にある産婦人科クリニックで産声をあげ、たった半日でこの世を去りました。
「(妊娠中)エコーを毎回動画で撮影して、夜寝る前に(夫婦)2人で一緒に見て3回くらい見たな。動いたとか、この鼻のところが大ちゃん(夫)そっくりとか言って 私の良さがないとか言って楽しかったですね」(柊ちゃんの母・高瀬実菜美さん)
元々妊娠をしにくい体質の高瀬さん。辛い不妊治療を受け、ようやく授かった命でした。しかし柊ちゃんは、生まれた直後に容体が急変。12時間後に息を引き取りました。
「(当時私は)産後嘔吐して意識なくなって寒かった(柊ちゃんが元気な時に)私は触ることもできなかった。それをすごい後悔していて、なんぼでも触れると思っていたんでね、この後」(高瀬実菜美さん)
「吸引分娩」の末に… 納得できない医師の説明
分娩の際、柊ちゃんには「吸引」とよばれる方法が用いられました。専用の器具を使って頭を引っ張り、赤ちゃんが母体から出てくるのを補助する、従来からある方法です。柊ちゃんの死因は「帽状腱膜下血腫(ぼうじょう・けんまくかけっしゅ)」による出血性ショック。頭部の出血によるショック死です。
クリニックの医師からは、「吸引で柊ちゃんの頭に圧力がかかったことによる合併症だ」と説明を受けたということですが、高瀬さんは納得できません。
「直前まで元気ですって言われていて 生まれた後も元気ですと言われていたのに」(高瀬実菜美さん)
我が子がなぜ? カルテに残された気になる記載
元気に生まれたはずの息子の命はなぜ尽きてしまったのか。高瀬さんは、出産の記録のために撮影していた映像や、クリニックから取り寄せたカルテを元に調べ始めます。そこには気になる記載が・・・。
「0時20分の段階で『全身不色でうなり呼吸あり』っておかしいじゃないですか。『先生に報告』ってこれ多分電話なんです 先生がいないんですよ。先生がやっと来たのが2時35分、つまり2時間放っておかれている」(高瀬実菜美さん)
事故があったクリニックに医師は2人。土日、夜間は常駐していません。さらにカルテの記録では、柊ちゃんの容体に異変があってから医師が駆けつけたのは2時間半後でした。
日本産科婦人科学会が作成した「産科医のためのガイドライン」。赤ちゃんの頭に負担がかかるため、「吸引後は経過観察が必要」などと注意点が定められています。また吸引する場合は、「赤ちゃんの頭がある程度の位置まで下がってからが望ましい」とその基準が示されています。
しかし、高瀬さんの出産時のカルテでは、赤ちゃん特有のコブだけが基準まで降りて来ていますが、頭の位置はガイドラインの基準より上にあることがわかります。
「頭が下がっていないのに吸引したんちゃうかと私達は思っている」(高瀬実菜美さん)
何らかの理由で出産を急ぎ、無理な吸引をしたのではないか・・・。高瀬さんは当時、クリニックを選んだ自分を責めました。
「あの時ああしていたらこうなって無かったかなとか、しばらくずっと考えてました そんなん言うてもしょうがないことやって今となればわかるんですけど ずっとごめんなさいって思ってました」(高瀬実菜美さん)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181015-00010000-asahibc-life
みんなのコメント
医療事故、吸引分娩共に経験者です。
出産時に吸引分娩で子供は重度の新生児仮死の状態で生まれました。
かろうじて生き延びてくれましたが、現在脳性麻痺で重度の障害が残りました。出産時様々な放置される事態がありズサンにつきます。
そして子供の心拍数の異常が出続けたモニターさえも4時間
(すいません、続きです)
程放置されました。子宮口全開から5時間程経った時に(通常2時間程で出産する)全然来なかった医師が来て『いけそう』と吸引分娩をしました。
うちの場合は吸引分娩と言うよりも放置されいた事が問題でしたが、医療事故調査で明らかな医療事故と認められました。
たまに事故があって医者を責めるから産婦人科が減ると見ますが、ズサンな医療体制は正されるべきです。
ちなみに医者が賠償する場合は保険で賄われ痛手はありません(うちは現段階で一切請求していません)
命が関わる仕事です。子供や家族の一生全てが変わります。
娘の頭の形が気になってここに来たけど、無事で産めたことがどれだけありがたいか。
無痛分娩をされたかは分からないけど無痛だと微弱陣痛になるので大半は吸引になるらしい。。