「やっと投入されたのか」――仕事道具として「MacBook Air」を使ってきたユーザーの中には、そういう感想を漏らした人も少なくないだろう。
発表会で米Appleのティム・クックCEOは「最も愛されてきたMac」という表現をしたが、それもそのはずだ。
製品の基本コンセプトでいえば10年以上、大幅なコストダウンを図る機構設計の刷新が行われた2010年のアップデートから数えると8年以上、
最後に機種ID(Appleが付与する製品設計のバージョン番号)が更新されたのは2015年のことで、2017年に内蔵するプロセッサのクロック周波数のみ引き上げられただけで2018年後半を迎えていた。
MacBook Airが、学生や個人で仕事をする人たちに好まれた理由は明快。生産性を高めた2010年のアップデート後、
開発費の償却も進んで極めてコストパフォーマンスがよい製品となったからだ。当時は11.6型モデルもあり、10万円を大きく切る価格(税込8万8800円)からMacBook Airが入手できた。
同じ外観、設計のまま、8年もベストセラーであり続けたパソコンは、恐らくこの製品ぐらいだろう。薄くすることで可搬性を高めたMacBook Airの設計は、
その後、Intelが定義した「Ultrabook」というWindowsノートPCのジャンルを生み出した(それまでも主に日本メーカーが独自に作り込んだ薄型軽量ノートPCは多数存在したが、Ultrabook以降はメーカーを問わず低価格な薄型軽量ノートPCが当たり前になっていった)。
また、内蔵するインタフェース類が旧式のままであったことは、むしろ扱いやすいという側面も与えていた。
他のMacBookシリーズがUSB Type-C(USB-C)、その後、Thunderbolt 3へと充電を含む端子を集約させる方向へと向かう中、SDXCメモリーカードスロットを内蔵し、
USB Type-Aを2ポート備えるMacBook Airは、MacBookの主流からはどんどん外れていったが、周辺環境のインタフェース移行はそう急速には進まない。世の中の動き全体からすると、「心地よい」環境だったといえる。
あるいは、キーストロークが短い新設計のバタフライ構造キーボードではないことも、古くからのユーザーには慣れ親しんだ環境だった。
しかしこの度、さまざまな要素が出そろったところで、MacBook Airは、Appleが近年「MacBook Pro」に対して施してきた要素を盛り込み、最新のApple製品と「同世代」に肩を並べるようになったわけだ。
先に結論を書いておくが、多くの人が心配しているだろうプロセッサのパフォーマンスに関しては、動画編集や3Dを駆使したゲームを快適に遊びたいといったニーズがなければ、
さほど気にすることはない。体感的な速度は人それぞれだろうが、読み出しが高速なSSDの助けや、意外に高速だったプロセッサ性能もあって基本的な応答性はよいと感じた。
なお、新モデルでの更新は多岐にわたっており、従来のMacBook Airを好むユーザー向けに、廉価な価格設定(税別9万8800円から)のまま、旧モデルも併売される。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181106-00000101-zdn_pc-prod
ネットの反応