CNN) 米ミシガン州バトルクリークのピザ店に勤務する男性が、末期がんで余命数日と告げられた昔の常連客のために、隣の州まで往復7時間かけてピザを宅配した。
25年前、バトルクリークに住んでいたジュリー・モーガンさんと夫のリッチさんは、給料日になると必ず「スティーブズ・ピザ」へ出かけて食事を楽しむのが習慣だった。
その後インディアナ州インディアナポリスに移転したが、今年はジュリーさんの誕生日を祝って、大好きだったピザを食べに行く旅行を計画した。
ところがリッチさんの容体が悪化して病院に入院することになり、旅行は中止。リッチさんはがんのため余命数週間から数日と告げられ、自宅で終末期介護を受けることになった。
ジュリーさんの父のデービッド・ダルキさんはスティーブズ・ピザに電話をかけ、2人にお見舞いのメッセージを送ってほしいと頼んだという。
「5分ほどたつと折り返し電話がかかってきて、2人の好きなピザを尋ねられた」とダルキさん。電話の相手はスティーブズ・ピザ創業者の孫のダルトン・シェファーさん(18)だった。
同店ではピザの宅配はしていない。しかしシェファーさんは、店の営業が終わったら2人の好きなピザを届けるとダルキさんに約束した。
インディアナポリスまでは車で3時間半ほどかかる。ダルキさんにそのことを伝えられても、シェファーさんは迷うことなく、家族にも店にも告げずに出発した。
ダルキさん宅に到着したのは午前2時。起きて待っていたダルキさんにピザ2枚を手渡すと、休憩して行ってほしいという申し出も断り、代金も受け取らないまま戻って行った。7時間をかけた、往復700キロ以上の宅配だった。
この経緯をフェイスブックに投稿したジュリーさんは、「ダルトンさんは、本当につらい時にあった私たち家族に、大きな喜びと世界最高のピザを届けてくれた」と感謝の言葉を記し、シェファーさんの行動に心を打たれたという声が広がった。
シェファーさんはCNNの取材に対し、「これからは自分も誰かを助けて同じようなことをしたいという人からたくさん電話がかかってきた。それはまさに僕が望んだことだった」と話している。
リッチさんは、2年に及んだがん闘病を経て、20日に息を引き取った。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181022-35127374-cnn-int
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