米国と中国の軍事的緊張が高まっている。南シナ海で9月末、中国海軍の駆逐艦が米海軍のイージス艦に異常接近する事態が発生し、米国は核兵器搭載可能な戦略爆撃機を東・南シナ海で飛行させた。中国の野望は東シナ海にも向けられ、
沖縄県・尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内に、新たに海上ブイを設置していた。米中の貿易戦争が、軍事衝突に発展するとの見方もあり、日本は警戒を強める必要がありそうだ。
「世界のシーレーンである南シナ海について、中国は『オレたちのものだ』と振る舞い、岩礁の軍事基地化を進めている。
米軍は『航行の自由作戦』を続けて対抗しているが、衝突は不可避だろう。初めのうちは小さなレベルでも、大きな紛争に発展することは十分考えられる」
国際政治学者の藤井厳喜氏は、米中関係の将来をこう予想する。
確かに、米軍と中国人民解放軍の最近の行動は、危機をはらんでいる。
南シナ海・スプラトリー(中国名・南沙)諸島周辺で9月30日、中国海軍の蘭州級駆逐艦が、「航行の自由」作戦を実施していた米イージス駆逐艦「ディケーター」に、衝突寸前といえる約40メートルの距離まで異常接近したのだ。
米空軍も「死の鳥」という異名を持ち、核兵器や巡航ミサイル搭載可能な巨大な戦略爆撃機「B52」を先週、南・東シナ海で飛行させた。
ドナルド・トランプ政権は「中国=安全保障上の脅威」と位置付けており、軍事的プレゼンスを示して、中国を牽制(けんせい)したかたちだ。
「世界一の軍事力」を誇示するためか、米軍は先月27日、最新鋭ステルス戦闘機「F35ライトニングII」をアフガニスタンで初めて実戦投入し、攻撃は成功した。F35は日本にも配備されており、中国は同機を恐れ、警戒している。
評論家で軍事ジャーナリストの潮匡人氏は「F35の最大の特徴は、高いステルス性能とともに、相互ネットワーク化が図られている点だ。
例えば、自分のレーダーでは見えないが、リンクしている味方のレーダーに(敵機などが)映っている場合、
自分の目で見ているような状態で、ミサイルを発射できる」と解説し、中国にとっては「厄介な『目の上のたんこぶ』という存在だ」と指摘する。
通常なら緊張緩和の動きがありそうだが、両国にその気配は見えない。
今月中旬に予定されていたジェームズ・マティス米国防長官の北京訪問と「外交・安全保障対話」について、米国防当局者は1日、「中国側が中止を通告してきた」と説明した。
これに対し、中国外務省の報道官は2日、米国の申し出で延期したとしている。ロイター通信が報じた。
日本の周辺海域もきな臭くなってきた。
尖閣諸島周辺の日本のEEZ内で、中国が新たに海上ブイを設置していたのだ。産経新聞が3日報じた。ブイが確認されたのは2016年以来。軍事目的で海中のデータを収集している可能性があるほか、尖閣周辺での活動を常態化し、領有を既成事実化する狙いもあるとみられるという。
実は、沖縄県知事選(9月30日)で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を「断固阻止する」という前自由党衆院議員の玉城(たまき)デニー氏が当選した直後、中国メディアが警戒すべき報道をした。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は、《沖縄人民が、米国、日本に大きな勝利を得た》とする記事を掲載したのだ。
沖縄と、日米両国が対立しているような記事だ。沖縄や沖縄県民と、日米両政府の分断を狙ったともいえる。
前出の藤井氏は「中国の脅威に無警戒といわれる玉城氏が勝ったことで、気をよくした中国共産党が『もっと日本を追い込められる』と思っているのではないか。尖閣奪取が1つの目標である中国は、さらに攻勢を強めてくる可能性がある」と警鐘を鳴らした。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181005-00000007-ykf-int
みんなのコメント
中国脅威論で辺野古とリンクさせるのは、全く無知から来る。仮に中国が東シナ海ルート、尖閣を狙っても普天間、辺野古の海兵隊は1ミリも動かない。
実働陸戦部隊だからで、沖縄にはトレーニングのため駐留していて沖縄本土防衛には一切関与しない。玉城氏は嘉手納基地に関しては安保負担上容認している。中国進出にとっての実際の抑止力は、横田や嘉手納の航空制空権だ。
嘉手納にはF35が常駐し、自衛隊にも42基のF35が配備される。沖縄、尖閣の防衛は自衛隊一任なので、早めに沖縄にF35を配備したらよいだろう。
ちなみに余りにも無理解で卑怯な沖縄への対応は、特別自治区、独立への道だ。シンガポールやモナコスタイルでタックスヘイブン、ないしは低タックスにする。
風光明媚な外資ホテルがこぞって参入するアジアの要、沖縄は多様な富裕層が集中し、振興交付金で最貧県に喘ぐより、遥かに経済的な振興が期待できる。