今年もそろそろ「年末ジャンボ宝くじ」のシーズンがやってきます。ボクも、「1億円当たりますように…!」と祈りながら買うものの、いつも当たるのは「300円」。「そもそも、宝くじで1億円当たるなんて、都市伝説では…?」
そんなことを思っていたら、出会ってしまったんです。そう、リアル「億男」に。
偶然出会ったフツーの男性が、「じつは宝くじが当たりまして…」というのです。その詳細をインタビューしてみることにしました。
宝くじで高額当選したら、そのあとどうなる?
西村:
当せん金って、どうやって渡されるんですか?米谷さん:
振り込みか現金の手渡しか選べるようです。私は持っていても仕方がないので、振り込みでお願いしますと伝えました。
だから1億円は通帳で一瞬見ただけですね。
西村:
ち、ちなみに、その1億円は何に使ったんですか?(ゴクリ)米谷さん:
実はほとんど使ってないんです。というのも、宝くじの受け取り手続きをしたあとに、銀行の支店長や副支店長が勢ぞろいであいさつにくるんですよ。
そこで「絶対に当行で運用してください。オススメなのはこちらのプランで…」って話をされるんです。
若いのも重なり、すすめられるがままに半分を安定の保険型の定期預金、残り半分を当時米ドルの利率が1.8%とよかったので、プロを信じて米ドルで定期預金に入れてしまいました。
当時作った定期預金が10年の満期を迎えたのが2年前。利子が積み重なって、当時20万ドルだったお金が32万ドルくらいになって返ってきました。
西村:
約1000万円くらいプラスになってますね!やっぱり元手が大きいとリターンもデカい!米谷さん:
そうなんですよ。今はそのお金をオーストラリアドルに運用を移し替えてあります。それも言われるがままに(笑)。ただ、このリターンの税金がかなり重くて…
西村:
ああ…確かにその額はきつそうですね…米谷さん:
あのときほど日本の税制を妬ましいと思ったことはないですね(笑)。突然、100万円弱くらい振り込めって通達がきたんですよ。元金はすぐ運用してしまったので、手元にお金は一切残ってない。“納税貧乏”になってしまいました。
「1億円」が人生を劇変させなかったのは、祖父の教えがあったから
西村さん:
「ロト6で3億2千万円当てた男の悲劇」という本があるくらい、宝くじの高額当せんは良くも悪くも人生を劇的に変えてしまうイメージがあります。米谷さんは、「1億円当たったぞ! 脱サラだ!」とはならなかったんですか?
米谷さん:
ないですね。1億じゃ辞めても将来生きていけないだろうなとは思ってたので。西村:
23歳で達観していますね…。よくそこまで冷静にいられるなあと思います。米谷さん:
多分10万円とか100万円が当たっていたら、「新しいiPhoneを買おう」とか「海外旅行に行こう」とか具体的な物に換算できてしまうので喜んでいたでしょうね。しかし、1億円はあまりに高額すぎてピンときませんでした。
また、プロにすすめられるがままに海外の預金口座に送金してしまったのと、通帳でしかお金を確認しなかったのも大きかったと思います。
もし、平積みにされた現金1億円を目の前で見せられていたら、目の色が変わって人生が狂っていたかもしれません。
西村:
それじゃあ米谷さんは宝くじで1億円が当たっても、人生は何も変わらなかったんですね?米谷さん:
そうですね。もともと1億円がなくても生活は問題なく回っていたので、特に何も変わってないと思います。西村:
それはまた…夢のない話に聞こえますね…大金を手にしても、消費に狂わなかった理由は何だったのでしょう?
米谷さん:
それは、物心ついたときから祖父に「生きたお金を使え」と言われていたのが大きく影響しているんじゃないかなと思います。西村:
生きたお金?米谷さん:
「生きたお金」とは、自分が本当にときめいて「欲しい」と思ったものを購入するときに使うお金です。逆に、消費衝動に襲われて使ったお金を「死んだお金」と祖父は呼んでいました。
考えて使うことを教えてくれたのだと今は感謝しています。
西村:
すごい…昔からお金の英才教育をされていたんですね。米谷さん:
そうですね。祖父からは「自分自身でしっかり誰かの役に立って、きちんと自分の力で稼いだお金を使え」。また、「お金を自分のためだけに使うのではなく、誰かの役に立つように使え」とも言われていました。
ただ残念なことに、今は手元に現金はありませんので、誰かのために使いたくとも難しい面が多々ありますね(笑)。
でも、これらの教えが染み付いていたからこそ、「1億円」という大金を得ても人生が変わらなかったんだと思います。
西村:
なるほど。では、1億円を得て不幸になる人って、そういうお金の価値がわかってないからなんでしょうかね?
米谷さん:
それはおそらく、幸せの価値が定まってないからだと思います。だから消費が幸福だと思い込んでしまって、気が付いたら一文無しになっている…。そういう使い方しかできないんじゃないかなって思います。
本当の幸せって日々の生活にあふれていますから。
西村:
耳の痛い話です…。宝くじが当たってなくても、「自分の幸せ」についてちゃんと考えなければいけないですね。今日は本当にありがとうございました!
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181025-00010000-srnijugo-life
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