樹脂シートの朝山化成、「融通手形」で信用悪化
朝山化成は1976年7月に設立。当初は、使い捨ての弁当箱や中箱を製造していたが、近年ではそうした製品の原料となる樹脂シート(原反)メーカーとして業容を拡大していた。強みはその製法。

ポリプロピレンなど原材料を使用し、独自製法で耐熱性などに優れた製品の開発を実現。2工場で、月間300トンほどの製造体制を敷いていた。

その後、受注の増加から生産能力を増強して月間500トン体制へ。ところが2015年6月、突然主力得意先のコンビニエンスストアから受注が止まってしまう。

そこで、まず金融機関からの借入金について返済条件の緩和を要請する。取り急ぎ資金繰りを安定化させ、経営再建に向けた動きを取り始める。ここまではよかったのだが、その後“あってはならない”ことに手を染めてしまう。

「資金融通目的の手形を振り出していないか?」―16年に入ってから多数の信用不安情報が浮上し、周囲からはこんな臆測の声が聞こえるようになっていた。

それは事実だった。後に開かれた債権者説明会では、質問者からの「融通手形?」の質問に、同社から「やった(振り出した)」との明言があったという。

こうなると、経営は急速に不安定化する。結局、同年7月に不渡り事故を起こした。その後も事業継続の意思を捨てきれず、再生に向け弁護士との協議を重ねていたが、事態は全く前に進まなかった。

この間、債権者には何の説明もないままだった。ようやく会社側が説明の機会を設けたのは16年12月。不渡り事故を起こしてから5カ月後のことだ。いずれにしても「時既に遅し」。

窮状に陥ってから事業を再生させるには、その手法とタイミングが極めて重要となる。だが、それを完全に誤ってしまった今回の事例。技術があっただけに「惜しまれる」と感じる関係者もいた倒産であった。

<会社概要>
●朝山化成(株)
●住所:埼玉県新座市馬場4―10―21
●資本金:3000万円
●年売上高:約15億1500万円(15年6月期)
●負債:約6億7700万円
●18年10月17日に東京地裁より破産手続開始決定

帝国データバンク情報部


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ネットの反応

1.
あるあるですよね。
長期安定して収益を見込めると読み、
先行投資して失敗する。
ここで再起に向けて資金を調達したいのに
金融機関は苦しい時こそ 引いていく。
だから、広く浅くが手堅いのだが
一点集中で手っ取り早くに走りがちなんだよね。
これこそが 老舗企業と呼ばれることの
企業運営の経験値が評価される根拠だよね。
2.
小売はいざとなれば簡単に切る。
直接、お客からお金をもらう商売が1番大変だけど1番確実。
下請けは切られたらそれまで。
3.
この記事にあるけどシートメーカーなら、直接コンビニとは関係ないはず?
成形会社が取引先変えただけでは無いのかな?
4.
何故、突然コンビニからの受注が減ったのか、他社が安く作ったのか贅沢な接待で気持ちが傾いたのか、もう要らなくなったのか?さてどれ?嫌な金だけの世界
5.
コンビニ弁当が無くなった訳ではなく、他社のトレーに乗り換えられたのが倒産の原因。 値段の交渉等で不備があったのかな?
6.
融通手形とは何やねんってことを
記事に織り込んだほうがいいんじゃありませんかね……
7.
コンビニだけではない。大企業とか主力取引先からはしごを外されるとかよくある話。冷たいもんだよ。仕事している時だって散々あれもこれも短納期で仕事振ってくる癖に安くしろの下請けイジメが当然のように起きている

下請け側は主力1社に限らず、色々なところと仕事するなどある程度分散しておかないと怖すぎる。

8.
以前から設備投資などで資金運営は借り入れに依存し、多額の有利子負債、多額の累積赤字を抱えるなど業容は悪化。

取引金融機関全行に対してリスケ(reschedule=金融機関への返済が苦しくなってきたときに、返済可能な計画に変更することを指す)を要請した他、

ノンバンク利用や、設備のリース取引に際し工場を担保に差し出していた。また、一部金融業者間で同社の振出手形が散見されるなどの動きも見られた。

窮屈な資金運営を強いられる中、手形決済が不調に終わり、先行きの不透明感が増す中、代表はあくまで事業継続に前向きな姿勢を見せていたが、資金のメドがつかず、手形決済が不調に終わったことで事業を停止した。

見事に倒産行きのレールに乗っかったストーリーで、潰れるべくして潰れたと言える。

コンビニの名前を挙げろとか不買運動云々で騒ぐよりも、今回の事件で一つでも多くの事を学ぶ方が賢明だ。

9.
朝日化成も危険ですね
10.
取引先が少なくリスク分散出来ない、下請けあるある。
11.
昔からよくある企業の話ですね・・・結局世汚わい基盤の会社が泣くことになる。
天下のパナソニックは昔からそうだった・・・下請けにめいいっぱい発注し、ある日突然に品質管理は悪いと難癖をつけてつぶれた後は技術を引き受けてすべてをいただく…そうやって大きくなったでしょ。
マネシタ電機の通称は有名でしょ・・・・泣いた企業はどれだけいることやら。
12.
コンビニ弁当は、毒だから食べたらダメ!
13.
どこのコンビニか聞きたい!!

不買運動やな。

14.
商売とは、いつも危険と隣り合わせ。いくつものリスクを想定して、次の展開を考えていかないと、大きくなれないのだが、凄く難しいんです。100個 事業案考えて100個ボツです。
大きくしたくなかった、この私でさえ、社員の給料を上げてやりたい一心で、借金を重ねて事業展開。
もう、大きくしたくない。借金怖すぎる。
きっと 記事の社長も、無借金企業で貧しくもなくお金持ちでもない普通の生活と幸せをしたかったんだと思うんだけど。
15.
融通手形なァ…。
覚醒剤みたいなもんやからなァ。
一辺やったら最後そこから抜け出せんぜ。


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16.
コンビニから弁当が無くなったわけではないので、この会社以外の容器を使うようになったって事でしょ。ということは代替が容易にできる製品しか作ってなかったってことになる。特殊技術は無かった。残念だけど同じような容器を「もっと安く納められます」って会社が出てくればそっちに乗り換えるよね。まぁそういう会社もそのうちジリ貧になって同じ末路を辿ると思うけど。
17.
あの時融手が有るから乗り切った。なんて企業は無く、遅いか早いかの違いだけで必ず倒産する。
手形割引も銀行に相手にされず街金にお願いするようになると高確率で倒産する。
18.
受注停止理由はかけない事情?
19.
一般の人は融通手形がわからない。無意味な記事。
20.
コンビニチェーンが中期的なフォーキャストの提示無しに、突然注文が止めたのは事実か?
サプライチェーンの雇用も含めて企業は社会貢献の義務がある。
21.
落とし穴があるんだよ中小企業
気の毒…
22.
コンビニは思った以上に不安定な業種。
そんなものに「おんぶ」で「だっこ」では
傾いて当然。
23.
流石に大手から突然梯子を外されたら
その後の再生は無理でしょ
大きな収益の柱が1つじゃ再生は無理
その他、2つぐらいないと
24.
一社に頼る一本足経営の危険なところ。
例えばiPhone頼みの大手製造装置や素材メーカーだって同じような事が言えるのではないか。
25.
なんでコンビニは手を引いたの?
コンビニに振り回されただけだな。
26.
なんで突然、コンビニが手を引いたの?
27.
コンビニからの受注停止で倒産って
ちょくちょくあるね
28.
セブンの弁当量減らして値上げ。ありえない
29.
完全な判断ミスですね。はしご外された場合のシミュレーションはしていなかったのか。
30.
主要取引先はなんで発注取りやめたんだろ?


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