◆退職後、毎日が無気力に……老年期うつ病とは
生きがいや張り合いのある老後の過ごし方は、誰もが真剣に考えるべき大きなテーマの一つです。そもそもいつからが「老後」なのかは、仕事のスタイルや個人の考え方、健康状態などによってもかなり違うでしょう。
いずれにしろ「人生100年」と言われるような時代では、老後という概念自体も変わっていく可能性があります。
もし「老後」をそれまでの生活に区切りをつけて、違う生活スタイルに入っていく後半生と考えるならば、定年退職をして仕事から完全にリタイアしてからが老後だと考える方が多いかもしれません。
専業主婦の方は子どもが巣立ち、配偶者が定年退職をしてからと考えるかもしれません。いずれの場合も「第二の人生の始まり」と前向きに楽しめることがベストですが、老後に気を付けるべき心の病気もあります。
今回は、多くの方の老後の生活の質に大きく関わる心の病気の一つである「老年期うつ病」について解説します。
◆認知症より発症率が高い高齢者のうつ病……うつ病の好発期でもある老年期
加齢とともに心身の機能は変化します。人によっては、身体の自由がかなり効かなくなってしまうこともあるでしょう。若い頃とは見た目も変わりますし、体の機能も変わっていくのはある程度避けられないものです。
自分が思うような速さで歩けずもどかしく思っているところで、誰かが軽やかに脇を走り抜けていき、ハッとするようなこともあるかもしれません。こうした心身の変化や、特に中枢神経系や内分泌系の機能の変化は、うつ病のリスク要因の一つになります。
また、年齢が上がるにつれ、悲しい出来事に直面することも増えがちです。自分の両親や配偶者、身近な古い友人の心身の不調や死別などに強いショックを受けることもあるでしょう。
こうした心理的な問題も加わるため、老年期は実はうつ病の好発期なのです。実際にどれくらいの数の方が老年期にうつ病を発症するのかというデータには、統計によってかなりの幅がありますが、だいたい10~20%ぐらいの数字が示されています。
言葉を変えれば、老年期に多くの方が心配される病気である認知症よりも、発症率が高い病気だと言えます。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180921-00013373-nallabout-hlth
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