◆うつ症状に効く食べ物や栄養素はあるのか
若い女性のうつは、「やせ願望と生活習慣の乱れ→不要なストレス→ストレスからくる不定愁訴→健康を損なう」という負のスパイラルを形成しているケースが多く見られます。
うつ症状に負けないためには、このスパイラルをどこかで断ち切ることが大切です。
では、食べるものや食べ方の工夫で、うつ症状を予防したり、軽減、改善することはできるのでしょうか? うつ病との関連が言われている食べ物についても見てみましょう。
■チョコレートとうつ病の因果関係は不明
例えば、「チョコレート」はうつ病、特に新型うつの人が食べたがる食品として有名です。実際にうつ症状のある人は、うつ症状のない人よりもチョコレートを多く消費していたという報告もあります。
しかし、チョコレートを食べることが原因でうつ病を引き起こしやすくなるのか、うつ病になることでチョコレートを食べたくなるのかの因果関係は分かっていないようです。
■セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)は軽いうつ症状に効果
サプリメントとしてよく使われているハーブのセイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)は軽いうつ症状にはこれだけで十分な効果があるとされています。
■オメガ3脂肪酸はうつ病予防に有効?
さらに、栄養素では「オメガ3脂肪酸」。オメガ3脂肪酸はEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)など、魚に多いことが知られています。魚を多く食べている人は産後うつ病の頻度が少なくなるとの研究結果もあります。
■カフェインの摂りすぎはうつ病に関連する可能性
「カフェイン」の摂りすぎもうつ病と関連があると言われています。カフェインはコーヒー、緑茶、紅茶、栄養ドリンクなどさまざまな飲み物に含まれていますが、
アメリカ精神医学会ではコーヒーを1日2杯以上飲むことをカフェイン中毒の診断基準の1つとしています。外出するとすぐにコーヒーを飲みたくなる人は、注意したほうがよいかもしれません。
■飲酒とうつ病の関係
また、女性はうつになると飲酒する人が増えるといわれています。女性は飲酒によって乳がんリスクも上がるといわれていますので、うつ病予防とあわせて飲酒の頻度や量には気をつけたいところです。
■アデノシルメチオニン・葉酸・L-トリプトファンはうつ病に効果
ほかにも「アデノシルメチオニン」「葉酸」「L-トリプトファン」などの栄養素がうつに効果があると言われています。
そして、栄養素ではありませんが、偏った食生活で栄養状態が悪化して「低コレステロール状態」になると、精神状態に悪影響が出やすいと言われています。
一般にコレステロールは悪玉だと考えられていますが、体に必要な成分なので、低ければよいというわけではありません。
◆やせすぎだけでなく肥満もうつ傾向に……うつ病予防に「標準体重の維持」を!
ここまで、若い女性たちの「やせ願望」がうつ病を招くことを解説してきましたが、一方で、肥満者にもうつ病患者が多いという事実もあります。
肥満傾向の人は座っている時間が長く、うつ症状を和らげると考えられている運動習慣などがないことが多く、さらに内蔵脂肪の蓄積もうつのリスクを増加させると言われています。
やせ、肥満ともにうつ病リスクが高いということは、うつ病予防には「標準体重を維持すること」も実は大切なのかもしれません。
精神面のケア方法は多岐に渡りますが、まずはここでご紹介した栄養面も安定した精神状態を維持するために大切なこととして、ぜひ覚えておいてください。
平井 千里(管理栄養士)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180921-00012996-nallabout-hlth&p=2
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