ポール・リンコン BBCニュースウェブサイト科学編集長

中国政府は3日、中国の無人探査機「嫦娥4号」が3日午前、世界で初めて月の裏側への軟着陸に成功したと発表した。嫦娥4号計画は、月の裏側について何を調べるのだろうか?  目的はいくつかある。

月の歴史を知るこれまでに、月の表側に着陸し、裏側を探査した宇宙調査計画はない。 そのため、嫦娥4号の探査は、月の謎に包まれた部分について知る、初めての機会になる。

月は地球の天然衛星だが、地球からは決して見られない「裏側」があり、我々が慣れ親しんでいる「表側」といくつかの点で重要な違いがある。

裏側の地殻は表側より古くて厚く、表側より多くのクレーターででこぼこになっている。表側にははっきりと認められる「月の海」(溶岩流によって作られた、黒玄武岩質の「海」)も、裏側にはほとんどない。

嫦娥4号はフォン・カルマン・クレーターと呼ばれる場所に着陸したと報じられている。月の裏側の南半球にある、直径180キロほどのくぼ地だ。しかし、フォン・カルマン・クレーターは、月面最大の穴、南極エイトケン盆地の内側に位置する。

南極エイトケン盆地は、月で最も古く、最も大きく、最も深い盆地だ。数十億年前、横幅500キロかそれ以上とも考えられる隕石が衝突して形成された。

あまりに強烈な衝突だったため、隕石は月の外部地殻層を突破し、マントルといわれる層まで到達したと考えられている。

着陸地点に露出するマントル由来の物質を全て調べることが、嫦娥4号計画の目的の1つだ。これにより、月の内部構造と歴史に関する知見が得られるだろう。

実際に、月を周回する宇宙船からもたらされたデータは、盆地の組成が周囲の高地と異なっていると示している。しかし、月表面に露出したマントル残留物は、この観測結果を説明するいくつかの可能性の1つとなる。

探査機はパノラマ式カメラを使い、有益そうな調査地点を特定。そして、可視近赤外線イメージング分光器(VNIS)を用いて、クレーター内部の鉱物や、天体衝突で周辺に噴出した飛来物(エジェクタ)を調べる。

加えて、月中レーダー(LPR)という機器は、月の表面から深さ約100メートルの地下部分を調べられる。この機器で、砕けた岩やちりが表面に堆積してできた月の表土の厚さを調べられる。また、月の上部地殻の構造も明らかに出来る。

南極エイトキン盆地を作った大きな衝突の後、溶解した大量の岩石がくぼ地を満たした。研究チームは嫦娥4号を使い、組成の変化を確認・分析しようとしている。

天文学上の空白を埋める月の裏側は長年、電波天文学の特定分野について研究するのに理想の場所とみなされてきた。特に、低周波帯の電波観測についてだ。地球の電波雑音から守られているためという。

約10メガヘルツより周波帯における電波天文観測は、人間による電波干渉や、その他の自然要因が理由で、地球では行えない。

嫦娥4号の着陸機は、低周波電波観測ができる、低周波分光器(LFS)と呼ばれる機器を積んでいる。この機器は、人工衛星「鵲橋」の類似機器と合わせて利用される。

この観測の目的には、低周波における電波状況の地図作成や、太陽の働きの研究が含まれる。

中国国家航天局(CNSA)の??杰氏は2016年、「月の裏側は地球からの電磁気的干渉から守られているため、宇宙環境や太陽バーストを研究するのに理想の場所だ。調査は、宇宙のより深い範囲を『聞ける』だろう」と述べた。

このように、嫦娥4号計画は天文観測における空白を埋め、地球では決してできなかったやり方で、科学者による宇宙現象の研究を可能にするだろう。

月面の放射線複数の宇宙研究機関が、そう遠くない未来に月面有人着陸を実施し、従来より長く宇宙飛行士を月の表面に滞在させたいと考えている。それには、放射線による危険性を理解するのは極めて重要だ。

地球の厚い大気圏と強い磁場は、銀河宇宙線や、太陽活動により放出されるエネルギー荷電粒子から人間を適切に保護している。

しかし、月面の宇宙飛行士は、人間を保護するこの泡の外に置かれ、光速に近い速さで宇宙を飛んでくる粒子にさらされる。そのため、健康に害を及ぼす結果になる可能性がある。

ドイツの研究者が提供した機器、月面着陸機中性子線量計(LND)は、月の放射線環境についての我々の理解におけるいくつかの空白を埋めることを目的に使用される。

LNDは、人体に吸収される可能性がある電離放射線の線量を測定し、将来の宇宙探査に関する見通しを提供する。また、太陽から飛来する粒子について理解するのにも貢献するだろう。

リンコン編集長のツイッターアカウントはこちら(英語)

(英語記事 What does China want to do on the Moon’s far side? )


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ネットの反応

1.
ブースターをたくさん設置して、地球に落とそうとしてるのだよ、諸君!
2.
トランスフォーマーを探している( ̄0 ̄)/ヾ(-д- 三 -д-)
3.
全然記事見ないけど、人類史上の大ニュースじゃないの?
4.
問題は、海洋資源や自然環境の破壊に無頓着な中国が、宇宙の法則を何処まで考慮するのかが心配だ。地球と月との関係は非常に微妙で、
月に物資を運び質量が増すと月との距離がだんだん離れて行く関係が加速される。時間軸はかなり長い話だが、因果関係だけは把握しておいて欲しいものだ。
5.
アメリカも中国もうそをついてる。まだ月は人類が行ったことない
6.
月の面側まで中国は汚しに行くんだ!
7.
月の裏側に宇宙人の基地があると言う都市伝説を確認して欲しい。これは中国しか出来ないと思う。
8.
簡単な事

月の裏は全部中国の物と言いたいんだよ。

9.
中国はとうとう太陽圏の覇権制覇までのりだした。
中国に軍事基地をつくることが目的
10.
ごみは、持って帰ってね月が中国みたいになったら困るから!
11.
数年前まで糞で畑を耕していた国が何で宇宙に行ける技術を身に付けられたんですか?
12.
中国は何をしようとしているのか?、
少なくとも、カメラで捉えた月面映像の範囲は中国の領土であると言う可能性がある。
13.
どうのこうの言っても月の裏側めっちゃ気になってました。アメリカが行かなくなったので中国が見せておくれ。ただで。
14.
月の裏側は、古来より中国の領土です。という発表があったとか、なかったとか。てな話が出て来そうで怖い。
15.
月の領有主張を始めるつもりでは?


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16.
日本は数年前には既にかぐやによって月の裏側の詳細な地図を作成した。
中国の意図がどこにあるのかがまだ何もわからない。それでもこの技術は将来想定される宇宙戦争に利用可能だ!!!
中国が躍起になる理由の最大目的はこれしかない。
地球上の中華帝国の実現と宇宙の中華帝国の実現だ!!!
17.
月も中国の物とか言い出しそう。
18.
中国の製造業を支えるのは、科学技術だ。

日本の製造業を支えるのは、ネトウヨだ。

19.
日本はすでに中国に全ての面で負けている。その自覚がないから厄介。本当に日本人が一丸となって、頑張らねば今の子供たちが大人になる頃、日本は不幸の国になる。
20.
中国製の探査機が本当に宇宙を飛行するとは思えない
21.
zガンダム 第8話 月の裏側
22.
日本人は中国の月探索は軍事目的だと嘘を撒いているが、このニュースの通りで立派な科学探索ではないか。日本人はそんなdis中国の余裕があれば何で自国の宇宙開発に使わないの?本当にだらしのない馬鹿民族だなぁ
23.
そうか、グラナダを作ったのは中国だったのか。
フォンブラウンは欧米連合で、グラナダは共産主義連合なんだな。
24.
宇宙人の基地なんか、ねーじゃねーか!
25.
社会制度に関係なく、月の裏について得られた知識は人類共有の財産。素直に褒められないのか?可哀想な連中が多い。
26.
これは…本物の月面写真だよね?もちろん合成とか、どこかのスタジオで撮影してるとかじゃないよね?
27.
月の裏側は、直接観測出来ないから、他国が観測出来る様になるまでの間に、掘削作業をするつもりかも。
28.
今度の月面は湿ってない?
大丈夫?
29.
月の裏側に電波を届かせる技術があるとは思えない。
30.
どうせろくでもないことだ、ほんとに着陸したのか疑わしいね、全て狂言かもな。


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