ドコモの「カードケータイ」や「ワンナンバーフォン」、auの「INFOBAR xv」など、大手キャリアが相次いで“ケータイ”の新機種を発表している。SIMロックフリーモデルでも、フューチャーモデルの「NichePhone-S 4G」が発売され、IIJがこれを採用した。スマートフォン全盛の中、真逆ともいえるシンプルケータイが息を吹き返しつつある格好だ。
では、今なぜシンプルなケータイが必要とされているのか。ドコモやKDDIの発表から、今のトレンドを読み解いていきたい。
通話やSMSに用途を絞ったカードケータイやワンナンバーフォン
ドコモの発表した冬春モデルで最も注目を集めたのは、PixelでもGalaxyでもXperiaでもなく、カードケータイとワンナンバーフォンの2機種だった。
スマートフォンの多くはベースモデルが既にメーカーから発表されていたという事情は割引いて考える必要はあるものの、スマートフォンが高機能、多機能化する中で、あえて機能を絞ったシンプルなケータイをラインアップに2機種も用意したインパクトは大きかった。
2機種はそれぞれ役割が異なる。カードケータイはその名の通り、カード型の端末で、名刺大のサイズにこだわった1台。発表会では、吉澤和弘社長が名刺入れから取り出し、訪れた取材陣を沸かせた。
名刺サイズにするために、ケータイの特徴であるテンキーを排し、E-Inkの電子ペーパーを採用している点も、カードケータイの新しい点といえる。
主な用途は電話やSMSになりそうだが、OSはAndroidをベースにしていると見られ、ブラウザも搭載している。LTEでの通信ができるため、調べ物をする程度であれば、ネットも利用できる。
電子ペーパーの書き換えに時間がかかるため、スクロールしながら長い文章を読むといったことには向かないが、いざというときのためと割り切って使うにはいい機能だ。
このサイズながら、音声通話がVoLTEに対応しており、高音質というのもポイントが高い。吉澤氏は「ビジネスとプライベートを、別番号で使い分けたい人に最適ではないだろうかと考えている」と語っていたが、
想定されている役割は“2台目端末”だ。仕事用にスマートフォンを持っている人が、プライベート用として電話のためだけに持ったり、逆に法人が電話連絡のために持たせたりといった利用シーンが想定されている。
対するワンナンバーフォンは、見た目がより典型的な“電話”に近く、こちらは単独で利用することはできない。同モデルはeSIMを内蔵しており、
親機になるAndroidスマートフォンと同じ電話番号で発着信できるのが最大の特徴だ。ドコモのサービスであるワンナンバーを利用するための電話というわけだ。
ワンナンバーは「Apple Watch Series 3」と同時に導入されたサービスだが、実装自体はネットワーク側にされていたもの。iPhoneとApple Watch以外でも利用できるとされていたが、ワンナンバーフォンで2機種目の対応となる。
eSIMに対応したApple Watchと同様、個別にネットワークに接続しているため、親機のスマートフォンと離れても利用は可能。
ちょっとした外出のときなどに持ち出したり、スマートフォンをカバンに入れつつワンナンバーフォンだけをポケットに入れて取り出しやすくしたりと、さまざまな応用例が考えられる。
シンプルなケータイが注目を集めたのは、ドコモだけではない。既報の通り、KDDIはINFOBARをあえてケータイとしてよみがえらせ、11月下旬に発売する。
名称に「xv」と付いていることからも分かるように、同モデルは過去の焼き直しではなく、カードケータイと同じくLTE対応。INFOBARがまだコンセプト段階だったころのようにキー部分をフレームレスにするなど、
デザイン面でのアップデートも随所に施した。こちらもVoLTEは利用できるが、おサイフケータイなどは搭載されておらず、ディスプレイも3.1型と小型。機能はシンプルだ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181027-00000017-zdn_m-prod
ネットの反応